2016年 チャブクラシック

常勝ランガーが今季1勝目に王手 アンカリング規制の影響は?

2016/02/14 16:52
今季1勝目に王手をかけたB.ランガー。パターのグリップは胸からしっかり離れています(Chris Trotman/Getty Images)

米国シニアツアーの今季3戦目「チャブクラシック」は2日目を終了し、ベルンハルト・ランガー(ドイツ)が2位に7打差をつける独走態勢に入った。初日「62」のロケットスタートで首位に立った勢いをキープし、大会3勝目と今季1勝目に王手をかけた。

長くツアーをリードしてきた4年連続賞金王も、今年の展望は不透明のまま新しいシーズンを迎えていた。2016年1月から施行されたアンカリング規制に伴い、約17年にわたり長尺パターを使用してきたランガーも対応が迫られる1人だったからだ。

PGA TOURによると、ランガーは1月だけで15種類のパターと4種類の打ち方をテスト。これと決まったパターとストロークを定められず、前週も長さが異なる2本のパターをテストしながらのラウンドが続いたという。

成績だけを見れば、2試合を消化した時点で開幕戦8位、第2戦10位と上位フィニッシュを重ねているが、スタッツの中身は正直だ。昨季の全体1位に輝いたパーオン時の平均パット数(1.716)は、今季2試合を終えて49位(1.784)と低迷中。ランガーの強みでもあったグリーン上で、パットの名手らしからぬ数字が続いていた。

その中で今週、細かな調整を続けてきた長尺パターがピタリとはまった。もちろんアンカリング規制に抵触しないよう、グリップエンドを胸から離し、支点を用いないストロークで対処。この2日間はパットが冴え渡り、初日には2度の5連続を含む11個のバーディを量産してみせた。

初日スタート前の練習で投入を決め、ランガーも「良い選択だったね」とうなずく長尺パターから生まれた独走レース。今週2日間における同スタッツも「1.516」と劇的な改善を見せている。転換期を迎えたシーズン序盤でのタイトルは、常勝を誇る58歳にとっても意義ある1勝となりそうだ。

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