「世界の宮本…!」藤田寛之は相棒にも刺激 シニアメジャーで18位発進
◇シニアメジャー第2戦◇キッチンエイド全米シニアプロ選手権 初日(25日)◇フィールズランチイースト(テキサス州)◇7193yd(パー72)
前の組の様子は、リーダーボードで確認するほうがたやすかった。年下の兄弟子が序盤からバーディを軽快に重ねていく。少なくとも前半のうちは単独首位だった宮本勝昌のスコアを見て、藤田寛之はキャディとささやき合っていた。「“世界の宮本”だ…!」
ともに初めて立ったシニアメジャーの舞台。6アンダー2位で終えた宮本の1つ後ろの組でプレーした藤田は、ティショットを右に曲げた開始10番でダブルボギーのピンチをしのいだ。12番で左手前から7mを沈め、さらに13番(パー3)ではUTでの第1打でチャンスを作り、2連続バーディを決めた。
中盤は「自分もこれは良いんじゃないかと思ったんですけど、途中から宮本さんがどんどんどんどん…。すごいなあと思って」と同じ芹澤信雄門下の相棒が気になりつつ、「難しくて“綱渡り”みたい」な戦いを強いられるコースで集中力を途切れさせるわけがない。
2018年から全米プロゴルフ選手権(PGAオブ・アメリカ)のおひざ元になったテキサス州フリスコ。攻めどころと守りどころ、メリハリがついた開場間もないコースは2025年に「KPMG全米女子プロ」を、27年にはレギュラーの「全米プロ」を迎える。
「こっちはこっちでピンチの連続。本当のショットでないとピンに近づかないから寄せて行こうと」。最終9番、バンカーショットの後の6mのパーパットを粘り強く沈めて4バーディ、2ボギーの「70」。2アンダーの18位で初日を終えられた。
メジャーでの戦いはレギュラーの2015年「全英オープン」以来8年ぶり。難解なホールでこそ藤田は奥歯をかみ締めて笑う。「ここにいること自体が楽しいじゃないですか。あまり結果は気にせずに、自分のゴルフを。自分もそう望んでいるし、みんなもそう思ってくれていると思う。やっぱり4日間やりたい。そこに向けて、まずは大事な2日目という感じですね」と午後スタートの金曜日を見据えた。(テキサス州フリスコ/桂川洋一)