畑岡奈紗も輩出したトミーアカデミー 下半身トレが強さの秘密
中嶋常幸が主宰する「ヒルズゴルフ・トミーアカデミー」の選抜合宿が14日から3日間、茨城県の静ヒルズカントリークラブで開催された。トレーニングの様子が15日、メディアに公開された。「次世代の日本のゴルフ界を担う選手を育成したい」という想いから2012年に始まったアカデミーは、今季米ツアー2勝の畑岡奈紗を輩出したことでも知られる。
今回の合宿は、来季米ツアーに挑戦するアマチュア山口すず夏(東京・共立女子第二高3年)や、5月に「関東女子ゴルフ選手権」を制したアマチュア長野未祈(千葉・麗澤高3年)など、4期生(在籍43名)の中から選抜された10名に加えて、卒業生の小滝水音、蛭田みな美、特別招待の河本結ら計18名が参加した。
練習が公開されたのは約2時間だが、大半の時間はクラブを握らない“トレーニング”に充てられる。まず選手たちは「3分間のランニング」と様々な「下半身を鍛える動き」を約1時間繰り返して汗を流した。山口は「きついです。でも体幹がしっかりしてきました」と効果を実感する。
その後ようやくウェッジを握り、「アプローチでドローを打つ」練習を1時間続けた。直線上に立てられたポールの右側を通し、線の左側にボールを落とすというものだが中嶋は「この練習には栄養がたくさん入っている」といい、畑岡もこの練習に励んだという。「アカデミーで教えることは、学校でいう足し算引き算みたいなもの。基本的なことしか教えていない。そこから先は彼らがその基礎をもとにいろんな場所で成長していく」とアカデミーの役割を説明する。
今季のステップアップツアーで4勝をあげ、賞金タイトルを獲得した河本は、今夏に中嶋と出会い、合宿に参加。「力が逃げてしまっていたアドレスを修正してもらったり、再現性を高めるパッティング練習を教わったり、やるべきことが明確になった」と振り返る。
アカデミーに参加するためには、入試倍率が約5倍の難関を突破しなくてはならないが、中嶋は「ゴルフのパフォーマンスはもちろん、ひとつひとつのふるまいで真剣さがにじみ出てくる。磨いたら光りそうな、アピールするものを持っている子には惹かれますよね」と審査基準はあくまでも現状のゴルフスキル以外にもあることを強調する。
強いゴルファーを育てるという目的はありながら、一方で「今も昔もいじめのニュースが絶えない。そういう中で、いじめられても負けない子。いじめる側にならない子。強くて優しい子になってほしい」と、もうひとつの思いも打ち明けた。(茨城県常陸大宮市/柴田雄平)