スピードゴルフ世界選手権 日本の松井丈が7位入賞

2014/10/31 13:46
日本から出場した松井丈(中央)が7位に入賞した

18ホールのストローク数とランニングタイムのポイントで争うスピードゴルフの「2014年世界選手権」がこのほど、米オレゴン州のバンドンデューンズGCで行われ、日本からただ1人出場した松井丈が、ゴルフ「77」ラン「49分49秒」の126.49ポイントで7位に入賞した。優勝は、アメリカのエリ・クラムで、ゴルフ「76」ラン「46分01秒」の122.01ポイントだった。

太平洋岸にあるリンクスコースのバンドンデューンズGCで、25日からの2日間36ホールで争う予定だった大会は、嵐の幕開けとなった。初日は、台風並みの風速約25メートルの暴風雨となり、今年9月の「第2回日本スピードゴルフ選手権」で連覇を果たして日本代表として出場した松井は、気温わずか12度、しかも風雨のピークにスタート。オールドマクドナルドコースをゴルフ「110」ラン「64分55秒」の174.55ポイントでホールアウトし、出場した「プロの部」で31人中26位という結果に肩を落とした。

が、後に大会本部が、一時は立っていることで精一杯となった悪天候を考慮して、この日のプレーをすべてキャンセルとしたため、救われた。勝負は最終日の18ホール1ラウンドで決まることになった。

26日は一転して穏やかな晴天の下で行われ、松井にとっては日本選手権を連覇した力を試す好条件となった。スタート前に「ゴルフ『80』以内、ラン『45分』以内」という優勝も望めるスコアを目標に設定。スタートともにティグラウンドに駆け上がり、1打目でフェアウェイ中央をとらえると、軽やかなピッチで次々と海岸沿いの難コースを攻略していった。

海へと向かうバンドンデューンズコースの15番では、風の下をくぐらす低いティショットでグリーンをとらえるなど、東京・代々木のゴルフスタジオでコーチを務める実力を遺憾なく発揮。最終18番のラストパットを決めた後は、猛ダッシュでゴールラインを切り、ゴルフスコアで33打、ランのタイムで15分6秒も前日から縮めてみせた(コースは別)。スピードゴルフスコアでもスタート前の目標に迫るポイントをマークし、ホールアウト後は「あー、やりきった」と満足そうな笑顔。7位入賞で賞金2100ドル(約23万円)を獲得した。

トップとのポイント差は4.48だった。松井は「パッティングがやっぱりちょっと外れると難しい」とし、さらに「足の速さはすごいあると思う。かなわないね。すごい!あの人たちは」と、その差を分析した。優勝したクラムは、スタンフォード大時代にタイガー・ウッズとチームメイトだったという経歴の持ち主。幻の“初日トップ”で結局17位に終わったニック・ウィリス(ニュージーランド)は北京五輪の陸上・男子1500mで銀メダルを獲得しているオリンピアンで、今大会2位だった前年覇者のロブ・ホーガン(アイルランド)はゴルフ「83」ながら、ランで「39分57秒」をマークしていた。

「もっともっとスピードゴルフの人口を増やしたい。トライアスロンはこの5年で多分人口が10倍くらいになっている。同じようにストイックな競技だから、トライアスリートはスピードゴルフがすごく楽しいと思う」。世界のレベルを知った松井は、競技人口の拡大という新たな目標を手土産に帰国した。