「引き出しの数ぜんぜん違う」 山下勝将は石川遼&中島啓太から学び
◇アジアパシフィックアマチュアゴルフ選手権 事前(25日)◇ロイヤルメルボルンGC(オーストラリア)◇7055yd(パー71)
女子プロゴルファー山下美夢有の弟で、2022年「ダンロップフェニックストーナメントチャレンジ in ふくしま」で下部ツアー史上7人目のアマチュア優勝を挙げた山下勝将(やました・まさゆき/近大3年)が、アジア太平洋地域のNo.1アマチュアを決める大会に2年連続で出場する。
24日の夕方頃から頭痛に悩まされていた。開幕前日は午前8時から日本勢8人全員で練習ラウンドを行う予定だったが、頭痛が治まらずにホテルで休養。コースに到着したのは正午あたりだった。合流後に数ホールを回り、「体調はバッチリです。朝飲んだ薬の効き目が切れている時間だと思うんですけど、それでもしんどくないので大丈夫です」と白い歯を見せた。
初めて回るオーストラリアのコースの印象は「風がめちゃくちゃ強くて、グリーンは止まらない。フォローかアゲンストかでも攻め方がぜんぜん変わる」と警戒心を高めた。ただ、それ以上に「日本とぜんぜん違うコースなので楽しいですね」と自信をのぞかせる裏には、日本のトッププロからの学びがあったから。
ことし4月の「関西オープン」で石川遼、中島啓太と予選同組で回り、「トッププロはアプローチとパターの“引き出し”の数がぜんぜん違う」という実感から、ショートゲームの向上に注力するようになった。
以前はゴルフ部でのラウンド時に練習する程度だったものを、今では自分で時間を見つけては姉も通うゴルフ場に出向き、朝から夕方まで打ち込んでいるという。今大会でのスコアメークのポイントにも「パッティングですね。グリーンを外してもパターで打つことが多いので、ファーストパットで寄せることが大事」。半年間の成果を発揮する時が来た。
前年大会は35位。優勝争いに絡めず悔しい結果に終わったが、ことしは違う。1年前の自分より、ひと回りやふた回りも大きくなっていると言えるだけの努力は積んできた。「自分のプレーができたら上位に食い込めると思うので、上位を目指して頑張りたい」と闘志を燃やした。(オーストラリア・メルボルン/内山孝志朗)