橋本美月は「楽しむ心を大切に」思い出の大会へ
◇アジアパシフィック女子アマチュアゴルフ選手権 事前情報(7日)◇シンガポールアイランドカントリークラブ(シンガポール)◇6343yd(パー72)
久々に会った海外の選手を見つけては「ハーイ!」と手を振って挨拶を交わす。2年前に出場した時は、こんな自分の姿は想像できていなかった。
橋本美月(東北福祉大2年)が大会優勝者の名前に加わったのは2021年。当時は海外での試合経験はなく、「あまり何も知らない状態でここに来た」と顔見知りの選手もいなかった。初出場ながら優勝を決めて海外メジャーにも挑戦し、今ではJGAナショナルチームメンバーとして国際競技に参戦。今年1月には「オーストラリアアマチュア選手権」で優勝するなど着々と実績を積んできた。
海外選手との交流も深まり、「スイングについてのアドバイスなどをやり取りしています。今は、大会で友達に会えるのがうれしいです」と各国にできた友人は財産のひとつになっている。この2年間での成長を自覚する一方で、新しい課題にも突き当たっている。「気持ちの面で悪くなってしまうことが多い」と、長らくメンタル面で崩れてしまうことに悩んでいた。
解決のヒントを得られたのは2カ月前のオーストラリアアマでのこと。「3、4日目に同じホールで崩してしまったけど、その時はまったく動揺しなかった」と、平静を保ってバウンスバック。崩れることなく勝ちきった。「何が違ったのかはハッキリ分かりませんが、ミスをしても大丈夫だと思える準備が大切なんだと思います」と、確信が持てるまであと少しのところにいる。
「優勝したい思いが強い」と結果を求めると同時に、大会を楽しむ心は2年前の当時から変わっていない。「去年のこの大会も、最終日は遅くまで友達と話していました。楽しむ心を大切に、しっかり4日間プレーしたい」。今年も、思い出の詰まった大好きな大会がやってきた。(シンガポール・サイムロード/谷口愛純)