野呂奈津子、65マークの大逆転
あっさり逃げきれるかと思われた井上陽子がもたつき、意外な展開になってしまった。井上が伸びないならと下から猛烈に追い上げたのが野呂奈津子。
アウトで3バーディ。インに入ってからも10番11番12番と3ホール続けて入れ、14番でも決めた。15番で初ボギーとした時点では優勝の行方が混沌としてきたが、最終18番で勝負を決める8コ目の貴重なバーディ。これも猛烈に追い上げてマッチレース展開になっていた最終組の服部道子は終盤スコアを伸ばすことができず。先にホールアウトしていた野呂が1打差の逃げきりとなった。
これで野呂は昨年の日本女子オープンに続いての3勝。中堅・ベテランが次々と勝利を決める今シーズンの「勝ち組」に名前を載せることができた。
「精一杯やりました。野呂さんが、それ以上のプレーをしたということです」という服部道子。またも惜しいチャンスを逸した形になる。
勝った野呂本人が「いやいや、すごいと言うか、出来過ぎですよね」と言う。スタート前は「とりあえずラウンドできれば十分」と思っていた。実はこの試合が今シーズン最後の試合。産休に入るのだ。ところが思いがけないバーディの山だ。「18番の3打時点で並んだことは知っていました。ここが入ったんで、ひょっとしたらトップかなとは思っていたんですが・・・」
優勝が決まってからお腹の赤ちゃんに「やったよ!」と話しかけたという。まだはっきりしないがツアー復帰は来年の6月を予定している。「来週から毎日毎日、主人と一緒というのが怖いです。なんかケンカしそうで・・」と笑った。慣れない生活が待っている。
関係ないような話だが、野呂と服部はプロテストの同期合格。同じスコアで首位合格したのだが、一人にしか与えられない「トップ合格」の権利は服部にさられわてしまった経緯がある。この肩書、あるとないとでは試合出場数など、かなり影響が大きかったのだ。