上田桃子がプレーオフを制し、2年ぶりの勝利!
◇国内女子ツアー第26戦◇ミズノクラシック最終日◇近鉄賢島CC(三重県)◇6,506ヤード(パー72)◇曇り◇ギャラリー数:4116人
単独首位からスタートした上田桃子と、4打差の3位タイからスタートしたフォン・シャンシャン(中国)が、ともに通算16アンダーの首位タイでホールアウト。18番(パー4)の繰り返しによるプレーオフに突入した。1、2ホール目と分け、迎えた3ホール目で上田がバーディを奪い決着。09年以来となるタイトルを手にしている。
通算15アンダーの3位に、この日のベストスコア「64」をマークしたチェ・ナヨン(韓国)。通算13アンダーの4位タイに、カトリーナ・マシュー(スコットランド)とテレサ・ルー(台湾)。3打差を追ってスタートした横峯さくらは、2つ伸ばすにとどまり通算12アンダーの6位タイ。賞金ランキングトップを走るアン・ソンジュ(韓国)は、同2位で追う有村智恵と並び、通算7アンダーの18位タイ。宮里藍は通算4オーバーの77位で終えた。
<桃子、笑顔で57ホールを終え、最後は涙>
プレーオフ3ホール目、4メートルのバーディパットがカップに沈むと、上田は両手で万歳、そしてガッツポーズで喜びを表した。4年ぶりとなる米ツアー2勝目は、苦しんだ末にやっと掴んだ特別な勝利となった。
最終日、2位に3打差をつけて単独首位からスタートした上田だが、7番(パー5)で3パットのボギーとすると、そのリードは瞬く間に消えうせる。迎えた9番。上田のティショットは右に出て、「ファー」の声と共にギャラリーの間に落ちた。しかし、その球は男性ギャラリーの頭に当たって、フェアウェイのど真ん中へ。
「本当に申し訳なかったのですが、その方が『俺は桃子ちゃんを見たいねん!大丈夫なんやけど、取りあえず(病院に)行っとくわ』って係の人に連れて行かれて・・・」。ピンまで残り175ヤードの第2打、5Iで「せっかくフェアウェイに運んでくれたボールだから大切にしよう」と思って打つと、これがピンそば1.5mにぴたり。このホールをバーディとすると、続く10番でも連続バーディとして、息を吹き返した。
この日3つスコアを伸ばして通算16アンダーでホールアウトした上田だが、勝負は「65」で回ったフォン・シャンシャンとのプレーオフにゆだねられる。その1ホール目、1.5mのバーディパットが左に抜け「運が逃げたかな」と嫌な考えが頭をよぎるが、「思ったところに打って外れたんだから仕方ないじゃん。最後まで楽しんでやりきろうよ」と島中大輔キャディの言葉に前を向いた。
「本当に長かったです。今年は予選落ちもたくさんあったし、初めてゴルフをやめようかと考えたこともあったけど、どうしても米ツアーで勝ちたいという気持ちがありました。今週の優勝はすごく自信になりました」。ホールアウト後、宮里藍や宮里美香らに祝福されて涙を見せた上田だったが、会見では再び今週を象徴する明るい笑顔が輝いた。
<フォン・シャンシャンは惜敗の2位、さくらは終盤に失速>
「ラウンド前からものすごい頭痛がしていて、普段ならコース上で軽く食事もとったりするのですが、吐き気がしてしまって食事もできない状態でした。そのような体調の中で、ノーボギーの7アンダーで回れたことはすごくうれしいです」。プレーオフ3ホール目で力尽きたフォン・シャンシャンだったが、体調不良を感じさせないゴルフで単独2位に食い込んだ。