野村敏京が史上2番目の若さで日本女子ツアー初優勝!
愛知県の中京GC石野コースで行われた国内女子ツアー第7戦「中京テレビ・ブリヂストンレディスオープン」最終日。9アンダーの単独首位からスタートした野村敏京が4バーディ、ノーボギーの「68」で回り通算13アンダーとして国内ツアー初優勝をマークした。
米国ツアーを主戦場にする野村は、今大会がプロ転向後初の国内ツアー出場。最終日の22日は朝から曇り空となり、午前11時過ぎからは大雨に見舞われた。11時43分から約2時間の中断があったが、再開後も野村の勢いは衰えることなく、結局2位の青山加織に3打差をつける圧勝。3日間首位の座を譲らない完全優勝で初勝利を挙げた。
18歳178日での日本女子ツアー初優勝は、2003年に「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン」を18歳101日で制した宮里藍に次ぐ歴代2位の年少記録となった。
通算8アンダーの3位にはこの日「67」をマークした横峯さくら。上田桃子は通算6アンダーの7位タイ。有村智恵は通算5アンダーの10位タイでフィニッシュした。
<野村、笑顔のウィニングパット>
16番(パー5)でパーパットを沈め、勝利を確信した。2打差で追うアン・ソンジュが前半に崩れてからは、悠々の一人旅。ハーフ終了後に降り出した雨による、約2時間の中断時を「一番、緊張しました」と振り返るが、その後も崩れる気配すら見せなかった。3日間を通じてもボギーは僅かに1つ、最終日も4バーディ、ノーボギーの「68」。トーナメントレコードに並ぶ通算13アンダーでの完全優勝で、プロデビュー戦初勝利という快挙に花を添えた。
最終18番(パー4)、2打目はグリーン手前のラフに捕まるが、アプローチをピン手前15センチにピタリ。2位の青山加織とは3ストローク差。短いウィニングパットを前に、野村は笑みを浮かべていた。「本当に嬉しくて、顔に出てしまいました」。18歳は、幼さの残る表情ではにかんだ。
この勝利により、野村は日本女子プロゴルフ協会にTPD登録(単年登録)の申請を予定しており、優勝した日の翌日から365日以内に開催されるツアー競技への出場が可能となる。日本ツアー出場権を得たあとは、もう1つの主戦場として目論む米国だ。近日中に渡米し、今度は米ツアーの出場権を狙うべく戦いに挑む。日本ツアーへは、米ツアーの空き週などに一時帰国して出場する予定だ。
<青山加織が自己ベストタイの単独2位>
4位タイからスタートした青山は、前半は5番(パー4)の1バーディのみと伸び悩む。だが、終盤に入りモードチェンジ。上がり5ホールで4バーディを奪い、単独2位フィニッシュを果たした。「開幕から2戦を終えてから調子が悪く、良くてもベスト10がやっとだった。優勝を目指したくても上に行ききれないところがあったけど、掴むものもあったし、この3日間で成長できたと思う」。ツアー初勝利に向けて、大きな一歩を踏み出した。
<アン・ソンジュは6番パー5で痛恨の・・・>
首位の野村に2打差から同じ最終組を回ったアン・ソンジュは、2番で早々にバーディを奪い1打差に肉薄。だが、6番(パー5)でまさかの展開が待ち受けていた。ティショットを左に引っ掛け、2発連続のOB。「プロになってから2発連続は初めて」という痛恨の、ふた振りで、このホールを7オン2パットの「+4」。前半で優勝争いから脱落してしまった。17番(パー4)では残り143ヤードの2打目をカップに沈めるミラクルイーグルを見せるが、時すでに遅し。1ホールのミスが悔やまれる最終日となった。