藤本佳則プロ5戦目でメジャーを制覇!
◇国内男子◇日本ゴルフツアー選手権 Citibank Cup Shishido Hills 最終日◇宍戸ヒルズカントリークラブ(茨城県)◇7313ヤード(パー71)
スーパールーキーがプロ転向5戦目で国内メジャータイトルを掴んだ。2戦前の「とおとうみ浜松オープン」で最終日を首位で迎えながら、2位に終わった藤本佳則が、今季のメジャー2戦目で通算13アンダーでホールアウトし、ツアー初優勝を果たした。
11アンダー単独首位でスタートした藤本は、14番までに14アンダーまでスコアを伸ばした。しかし、難易度の高い17番でボギーをたたくと、最終18番もパーオンできずピンチを迎える。しかし落ち着いてパーセーブし満面の笑みを見せた。
終盤の16番、17番で連続バーディを奪い藤本に接近した上平栄道が、惜しくも単独2位に終わった。通算10アンダー単独3位は池田勇太。後半に入り3連続バーディを奪い12アンダーとして、藤本に1打差まで迫った池田だったが、スコアを伸ばしたい15番パー5で痛恨のダブルボギー。今季初勝利とツアー通算10勝はならなかった。
<藤本佳則、新人初の日本タイトル獲得者に>
ぶかぶかのグリーンジャケットに身を包み、藤本は最高の笑顔を見せた。国内メジャーの舞台でツアー初優勝。プロ転向後5戦目での初勝利は、2005年の「三菱ダイヤモンドカップ」を制したI.J.ジャン、2010年の「ミズノオープンよみうりクラシック」で優勝した薗田峻輔と並びツアー最速タイ記録。大会の最年少優勝記録も更新した。そしてルーキーイヤーで日本タイトルを獲得した、初めての選手となった(※資料の残る1985年以降)。それでも数々の金字塔を打ち立てながら、「やっと勝てた」という言葉あたりが、規格外の新人たるゆえんだった。
3日目までトップを走りながら、終盤に逆転負けを喫した2週前の「とおとうみ浜松オープン」以来となる最終日最終組でのラウンド。序盤は同じくルーキーの川村とトーナメントを引っ張った。出だしの1番でフェアウェイからの第2打で、ピンに直撃させる一打を見せてバーディ発進。中盤以降は川村と上平が脱落していく一方で、6番、10番とバーディを重ね単独首位のまま後半に入った。
背中を追いかけてきたのは1組前で回っていた東北福祉大OBの先輩、池田勇太だった。11番からの3連続バーディで1打差に迫られた。しかし圧巻のショットは14番。ティショットが左サイドから中央にせり出したラフにつかまり、左前には木があった。残り160ヤード、握ったのは7番アイアン。低く打ち出すと、グリーンセンターを意図した打球は、左に切られたピン右2メートルにピタリとついた。この日4つめのバーディで通算14アンダー。15番でダブルボギーを叩いた池田に4打差をつけ、逃げ切りにつなげた。
22歳の賞金ランキングは藤田寛之に次いで2位に浮上。同大会の優勝により、8月の世界選手権シリーズ「WGC ブリヂストンインビテーショナル」の出場権を獲得した。また、7月の海外メジャー「全英オープン」出場にも大きく前進。「これから、もっともっと勝てる選手になりたい」。日本ゴルフ界を引っ張る、新星誕生の瞬間だ。