桃子、悔しさをバネに逆転優勝
「先週は本当に悔しくて、夜はずっとそのシーンが出てきて、絶対にその悔しさを忘れないって思っていました」。先週は優勝に迫りながら、18番で第2打をグリーン右のバンカーに入れてボギーとし、プレーオフの末に敗れた上田桃子。今週の「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン」で、すぐにその悔しさを晴らした。
開幕前は絶好調宣言も飛び出した上田だったが、蓋を開けてみれば初日、2日目とショットが不調。それでも、一から基本をやり直して、最終日は復調した。それは、例えば口にティペグを咥えてショットをする練習。前日、タイミングが合わない旨をコーチの江連氏に伝えると、「呼吸を整えることを意識してやってごらん」と指摘されたという。
米ツアーでクリスティ・カーが同様の練習をしていて、「リラックスして力が入らないから」とその理由を聞いた上田は、それをすぐに取り入れた。「今までは息を止めながらショットしていたけど、自然に吐きながら打てるようになった」と、これまで右肩が上がる悪い癖があったが、それも息を吐くことで無くなったという。
最終日は「凄くショットが良かった」という上田。折り返しで上が伸びていないことを確認すると、「これは行ける!」と確信。それでも、11番でバーディの後、12番はお先にタップインしようと思い、ソールをした瞬間に球が動いてしまい1打罰を受けてのボギー。14番でバーディを奪った直後の15番は 3パットのボギーと、すんなりとはいかない。首位で迎えた18番も、1m強のバーディパットを外したが、「これは、もう一回コースに出て、客の前で完璧な 4を獲りに行けということかな」と、前向きに考えた。
「結局、やらなくて良かったけど」と笑った上田。コンビを組んで6勝目となるキャディの川口氏も、「以前だったら絶対に怒っているけど、変わったなぁ」と感心する精神面の成長だった。
今季2勝目をあげた上田が次に目指すのは、自身初のメジャータイトル。「体がきついのは正直なところだけど、月・火・水としっかりトレーニングをして、自分の体にムチを打った方がいいと思っています。2週連続は出来ていないし、やってみたいです」と、次週のビッグトーナメント「日本女子オープン」制覇を見据えた。