遼、イーグル奪取!ショートゲームも冴えて10位タイに浮上!
米オハイオ州のファイヤーストーンCCで開催中の世界選手権シリーズ今季第3戦「WGCブリヂストンインビテーショナル」2日目。3アンダーの13位タイから出た石川遼は、1イーグル、2バーディ、2ボギーの「68」で回り、通算5アンダーにスコアを伸ばして10位タイに順位を上げた。
第2ラウンドを10番ティから迎えた石川は序盤、ショットが前日に引き続き安定。しかしグリーン上で苦しみ、なかなかチャンスを生かせない展開を強いられた。出だしでいきなり第2打をピン奥3.5メートルのバーディチャンスにつけるが、これを逃すと、12番(パー3)でも3メートルを外してしまう。そして14番でティショットを右ラフに曲げて、第3打は左手前のバンカーに入れるなど4オン1パットでボギーを先行させてしまった。
だがそれでも緊張の糸が切れることはなかった。初日にコース内の民家の“庭”からパーを奪った18番では2日連続でティショットを大きく左へ曲げた。しかしグリーン右奥のカラーから3メートル強を沈めて見事パーセーブ。すると後半2番(パー5)。ティショットを右ラフに曲げ、6番アイアンでの第2打は左のラフへ。しかし続く残り82ヤードの第3打。サンドウェッジで放ったボールはグリーン左に切られたカップの手前1メートルに落ち、そのまま吸い込まれイーグル。起死回生の一打で勢いづくと、その後は2バーディ、1ボギーとさらにひとつスコアを伸ばしてフィニッシュした。
開幕前には「2日目を終わった時点で、半分よりも上の成績で終わりたい」、初日終了後は「2アンダーか、3アンダーをまた明日一日で出したい」と誓った目標をいずれもクリア。“有言実行”を続ける石川はその要因を「ナイスリカバリー」とする。スイング改造に取り組み始め、ショットの調子は日々、一打、一打どうなるか分からない状態。フェアウェイキープ率53.6%は全選手中45位タイと半分以下、パーオン率55.6%は58位タイとさらに下回る。しかしその一方で、アプローチの高い精度を発揮していることもあり、1ラウンドの平均パット数24は全体トップタイ、サンドセーブもここまで100%だ。派手なパーセーブやイーグルの陰に隠れた好セーブも多い。「今週はリカバリーが良い分、攻めていける」と相乗効果を生んでいる。
トップとの差は5打から3打に縮まり、世界トップクラスの選手が集結した舞台で3日目は最終組の3つ前の組でプレーする。しかし石川は「すごくいい経験になるが、今日と同じように『コースに立ったら、練習場にいるように』と自分に言い聞かせていきたい」と冷静。上々の2日間と同じ精神状態で戦うことを、次の誓いとした。【米オハイオ州アクロン/桂川洋一】