遼、自然体で上位進出を狙う!開幕前日に新しい練習法も披露
今季の世界ゴルフ選手権シリーズ第3戦「WGCブリヂストンインビテーショナル」に出場する石川遼は開幕前日の3日(水)、決戦の舞台となる米オハイオ州ファイヤーストーンCCで練習ラウンド。2日(火)に米国入り、この日が唯一の練習日となったが、1番から18ホールを回った直後から、その後2時間以上の練習も敢行した。
53位タイに終わった昨年に続き2度目の出場となる今大会。予選落ちの無い4日間大会で、石川は初日から飛ばしていく考えだ。「出だしが勝負?そうだと思います。初日は“ダンゴ状態“になりやすいが、2日目になるとスコアも離れてくる。2日目を終わった時点で、半分よりも上の成績で終わりたい」と言葉に力を込める。「ショット次第でボギーの数が変わってくる。課題としている5、6、7番アイアンの精度。この3本で確実にグリーンをとらえられれば、ボギーは減る」とスコアメイクのカギを挙げ、1日4バーディ、そしてアンダーパーを目指していくつもりだ。
だが、その一方で過度にプレッシャーをかけない姿勢を強調する。この日、コースをラウンドした直後には、パッティング練習場で見慣れぬ動きで周囲の注目を集めた。サポートチームのスタッフが突然持ってきた縦50センチ、横76センチ、厚さ5ミリの黒い板。これを両ひざの前に浮かせ、石川本人の目からはパターのヘッドとボールが見えないように隠してストローク。加藤キャディがセットしたボールを、インパクトで“見ることなく”カップに沈め続けた。
「フェース面をボールに対してまっすぐ当てたい、合わせようとすればするほど、合わなくなる。ヘッドスピードが速くなったり、遅くなったり、腕や肩に(余計な)力が入ったりしてしまう。でもこれなら、いつボールに当たるか分からないから、一定のリズムで打つことを考えるしかない」。アドレス時やストローク中の余計な雑念を頭から取り除き、安定したインパクトを迎えるために、目から入る情報をできる限りシャットアウト。その中で、単純に目をつむるよりも実際の試合に近い状況を作り上げた。
地元ギャラリーも奇妙な、そして興味津々な視線を送ったこの練習法。思いついたのはこの日の前日だという。そして世界トップクラスの選手がタイトルを狙うビッグイベントの開幕前日にも関わらず早速実践。石川の練習には一般的な“調整”という言葉は、いつも相応しくないのかもしれない。2週間前から取り組んだスイング改造もまだ始まったばかり。「今日のラウンドでのスイングは良かった。でもあまり“試合モード”に入りすぎてしまうと、なかなかいつものスイングをさせてもらえない。練習場の続きでコースに行けるようにしたい」と平常心を貫く。タフなコースにも気負わずに挑んでいく。【米コロラド州アクロン/桂川洋一】