遼、2打差で白星。最終日に一矢報いる
男子プロゴルフの日韓対抗戦「ミリオンヤードカップ」は3日(日)、韓国・釜山近郊のチョンサンカントリークラブで最終日のシングルス・ストロークプレーによる10試合を行った。日本チームは韓国に3日間の総ポイント数で敗れ、連覇はならなかったが、石川遼は5バーディ、1ボギーの「68」をマーク。カン・キュンナムを2打差で破り、今大会で自身初白星を挙げた。
ダブルスで争われた2日間で苦杯をなめた石川が、最終日に意地を見せた。相手のカンに対し序盤から安定した攻めで3番までパーを並べると、4番からギアをトップに入れた。右ラフからの第2打をピン奥2メートルにつけて最初のバーディを奪うと、続く5番(パー5)では確実に1.5メートルのバーディパットを沈める。さらに6番では左ラフからピン右1メートルにピタリ。直後に雷雨の影響で約1時間の中断を強いられたが、再開後の7番でも勢いは止まらず、右ラフから2メートルにつけて、怒涛の4連続バーディを奪って見せた。
「初日、2日目と足を引っ張った。今日だけでも取り返さないと、と思っていた」という必死の思いが序盤に結実。8番終了時で7打差。後半はカンも粘りを見せ、結局2打差での逃げ切りとなったが、前半の猛攻がものをいった。
それでもチームの連覇達成がならなかったこと、そして前半の大きなリードを保てず、最終ホールまで相手に粘らせてしまったことに唇をかむ。11番(パー5)でカンが起死回生のイーグルを奪ったところで、石川はパー。「(自分は)まだ甘いなと思う。相手をそういう(諦めない)気持ちにさせてしまった。僕がバーディであれば…」と、一気に勝負を決める “強さ”を自分に求めた。
連覇を逃し「韓国チーム全員の努力が、日本を上回った」と残念がる石川。1週間のオープンウィークを経て、次戦は7月14日開幕のメジャー第3戦「全英オープン」に挑む。プライドをかけた決戦の悔しさを胸に大舞台を戦っていく。【韓国・釜山/桂川洋一】