遼、優勝争いに加われず12位も新アイアンに手応え
今季の国内男子ツアー初戦「日本プロゴルフ選手権 日清カップヌードル杯」は15日(日)、兵庫県の小野東洋ゴルフ倶楽部で最終ラウンドが行われ、3オーバーの26位タイから出た石川遼は2バーディ、1ボギーの「70」でまわり通算2オーバーの12位タイでフィニッシュした。
トップとは9打差、優勝争いが難しい位置で最終日を迎えた石川は「自分のプレーをできるように」と1番ティに立った。すると前半2番(パー5)で4メートルを沈めてバーディを先行。4番でグリーン右ラフからのアプローチが寄らずにボギーを叩くが、続く5番(パー5)でフェアウェイからの第2打をグリーンサイドまで運んで、確実にバーディを奪った。
しかしその後はチャンスを生かせず、スコアを伸ばせない。タフなホールが続く終盤をうまく耐えたが、最終18番では上り8メートルのバーディパットがわずかにショート。6番以降は結局すべてパーに終わりギャラリーの大きなため息の中で、石川も肩を落とした。
ショット、パットがかみ合わなかった72ホールを振り返り「4日間を通して、すっきりいく日が無かった」と言う。4度目の挑戦で初の予選通過を果たした今大会だったが、公式戦初制覇は、持ち越しとなった。1928年の「日本オープン」を19歳9カ月7日で制した浅見緑蔵のメジャー最年少優勝記録を更新するためには、6月2日開幕の「日本ゴルフツアー選手権 Citibank Cup Shishido Hills」(茨城・宍戸ヒルズカントリークラブ)がラストチャンスとなる。
しかしそれでも、12位タイという順位を確保したことに、石川は一定の満足感を示した。「全体的に悪い部分が無くなり、底上げできている。あとは、良い部分を伸ばしていくこと。いつでも優勝できるという準備ができていると感じられた一週間」。
また、今週初めて実戦で使用したマッスルバックタイプのアイアンにも手応えを掴んだ。番手ごとの飛距離はこれまで使用していたキャビティタイプのものよりも5ヤード前後アップ。今大会序盤はその距離感に苦しんだが「しばらくは使っていきたい」と徐々に手になじんできた。予選ラウンドをともにした中嶋常幸から「若いうちは(スイートスポットの狭い)マッスルバックを使って、フェースのどこに当たっているのか感じることが必要」と背中を押され、迷いも無くなったようだ。