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2022年 ウェルズファーゴ選手権
期間:05/05〜05/08 場所:TPCポトマック(メリーランド州)

進藤大典 PGAツアー・ヤーデージブック読解

マックス・ホマに宿る確かな自信【進藤大典キャディ解説】

マックス・ホマが「ウェルズファーゴ選手権」を逆転で制しました。2021-22年シーズン開幕戦「フォーティネット選手権」に続く今季2勝目。シーズン複数回優勝は松山英樹選手、スコッティ・シェフラー(4勝)、キャメロン・スミスサム・バーンズ(達成順)に続く5人目となりました。

通算8アンダーと優勝スコアが2桁アンダーに届かなかったのは、3月「アーノルド・パーマー招待」(通算5アンダー)に続く今季2度目。大会3勝のロリー・マキロイ(北アイルランド)らも苦しめた悪天候のタフなコンディションを乗り切ってみせました。

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例年ノースカロライナ州クエイルホロークラブ(22年は9月「プレジデンツカップ」の開催コース)で行われるこの大会で19年に初優勝。昨季タイガー・ウッズがホストを務める「ジェネシス招待」(カリフォルニア州リビエラCC)で2勝目と難コースでタイトルを獲得。スイングが美しく、スタッツを見てもグリーン周りの苦戦(ストロークゲインド・アラウンド・ザ・グリーンで134位)が目立つ以外は穴の少ないプレーヤーです。

ショットメーカーらしく優勝を手繰り寄せていった形ですが、キーガン・ブラッドリーとの競り合いでは大会を通じて好調だったパッティングも光っていました。同じ最終組のライバルにとってもプレッシャーになっていたことでしょう。

前半からとにかくタッチが素晴らしかった中で印象的だったのは、後半16番。2打目がバンカー越えの深いラフからのアプローチとなり、ピンをオーバーして25フィート(約7.5m)ほどの距離を残しました。パーを逃し、同じホールでチャンスにつけていたブラッドリーがバーディを奪っても、まだ1打リードというシチュエーション。下りスライスのパーパットで確実に距離を合わせて打ってくるのかと思いきや、2m近くオーバーさせるタッチで狙っていったのです。

ブラッドリーがバーディを奪った後に返しのボギーパットを沈め、やはり1打差となりましたが、勝負どころでの攻める姿勢は際立っていました。

2度の下部ツアー降格を経てつかんだ19年の初優勝を振り返り、「間違いなく自分はこのツアーでレギュラープレーヤーになれると思った」といいます。しかし、昨年リビエラで勝って世界ランキングのトップ50入りを果たしたときには、次々と台頭してくる新しい顔ぶれに一抹の不安を抱いたそうです。「自分はこの(トップ50にいる)人たちと同じくらいうまいのか?」-。家族やサポートスタッフにポジティブな言葉をかけられ続けたことで背筋が伸び、新シーズン開幕戦を制覇。確かな自信が芽生えてきたことを感じさせます。

2度目のシード確保失敗となった16-17年シーズンの獲得賞金は、わずか200万円ほど。苦い経験も、はい上がってきたキャリアを自らの強みと考えるように変化しています。「(挫折を知らない)マキロイのような歩みもクールだけど、(自分の経験も)ほかの選手にはなかなかないことだし、それはそれで良いことだと思う。首位で出ること、1打差、3打差…そんなことは気にならなくなった」

ゴルフの世界でよく言われる攻める気持ちとは、自分を強く持つこと。決して無謀なトライを指す言葉ではありません。ホマの堂々たる勝利には、地道に積み重ねてきた者の強さを見せつけられた思いです。(解説・進藤大典)

進藤大典(しんどう・だいすけ)
1980年、京都府生まれ。高知・明徳義塾を卒業後、東北福祉大ゴルフ部時代に同級生の宮里優作のキャディを務めたことから、ツアーの世界に飛び込む。谷原秀人、片山晋呉ら男子プロと長くコンビを組んだ。2012年秋から18年まで松山英樹と専属契約を結び、PGAツアー5勝をアシストした。

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