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2022年 ザ・アメリカンエキスプレス
期間:01/20〜01/23 場所:PGAウエスト ニクラウス・プライベートコース

進藤大典 PGAツアー・ヤーデージブック読解

異なるコーチで2シーズン連続V スワッフォードの歩み

ハドソン・スワッフォードが「コラレスプンタカナリゾート&クラブ選手権」で3年ぶりの優勝を飾ったのが2020年9月末のこと。「メジャー・メディカル・エクステンション」(公傷制度)の適用を受け、残り2試合とリミットが迫る中での大きな1勝でした。

そして、初Vの舞台でもある「ザ・アメリカンエキスプレス」での大会2勝目で2シーズン連続優勝。肋骨、足の裏と度重なるけがから復活して以降は充実した歩みに映りますが、実際はかなり苦しんでいたようです。

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29試合に出場した昨季は予選落ちが17試合。昨年のこの大会から5試合連続で予選落ちを喫すると、ディフェンディングチャンピオンとして臨んだ「コラレス-」で6位。しかし、次戦の「マスターズ」から再び5試合連続で予選落ち。8年間タッグを組んできたコーチのもとを離れる決断を下しました。

リッキー・ファウラーのコーチとしても知られるジョン・ティレリー氏に新たに師事。約1カ月後の「パルメット選手権」で1打差の2位に食い込んだあたりから再び手応えを感じられるようになってきたといいます。

コースで会えば気さくにあいさつしてくれる、身長190㎝の心優しいビッグガイ。もともと1Wとパターはうまいものの、アプローチがウィークポイントとなっていた選手でした。

スコア貢献度を示す「ストロークゲインド・アラウンド・ザ・グリーン」では、公傷適用で試合数が少なかった2019-20年シーズンを除いてマイナスの数値が並び、昨季もツアー191位に低迷。昨年9月の開幕からここまでトップ10入りがなかった今季も222位と改善には至っていないですが、グリーンを狙うアイアンショットが好調で予選落ちは減ってきていました。練習やトレーニングといった日々の積み重ねが功を奏し、「ストロークゲインド・アプローチ・ザ・グリーン」はツアー18位。彼のキャリアを通しても出色のパフォーマンスです。

アイアンに加え、伸ばし合いを制する決め手となったのがパッティングでしょう。出だし1番、後半13番(パー3)と15番と最終日に記録した3個のボギーをいずれもバウンスバックで獲り返し、ラスト9ホールでパーは1個だけのスリリングなプレー。今週からヒール側にシャフトがついたタイプのパターを投入し「信じられないほどうまく転がせた」。いずれもスタジアムコースを回った3日目3番、最終日10番と45フィート(約14m)を超える距離がカップイン。1試合で2度は自身初と冴えわたっていました。

アプローチという弱点を受け止めながら、勝負できる武器をひたすら磨く―。サンデーバックナインで立て続けにクラッチパットを沈めて繰り返したガッツポーズに、最高峰PGAツアーをしぶとく生き抜いてきた34歳の意地を見た思いです。(解説・進藤大典)

進藤大典(しんどう・だいすけ)
1980年、京都府生まれ。高知・明徳義塾を卒業後、東北福祉大ゴルフ部時代に同級生の宮里優作のキャディを務めたことから、ツアーの世界に飛び込む。谷原秀人、片山晋呉ら男子プロと長くコンビを組んだ。2012年秋から18年まで松山英樹と専属契約を結び、PGAツアー5勝をアシストした。

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