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ようやくたどり着いた? 矢野東の“角溝規制”対応策

今シーズンはシード外からのツアー出場で厳しい戦いを強いられている矢野東が、山梨県のヴィンテージゴルフ倶楽部で開催されている「ISPSハンダグローバルカップ」で、初日からの首位を守り、最終日を迎える。グリーン脇にパーオンを逃したホールで、ウェッジではなくパターを選択することもある今までとは違うプレースタイルだ。

矢野がオフに週3回もコースに通って集中して取り組んできた練習の成果だった。賞金ランク85位で12年間守ったシードを失う結果となった昨季を終え、「アプローチイップス気味だった」と敗因分析し、「とにかく転がそうと。ランニングアプローチを重点的にやってきた」という。

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フワリとあげたり、スピンでキュッと止めたり、グリーン周りの技の引き出しはプロの見せ場の1つ。元々は苦にしていなかったことが、うまくいかなくなっていくもどかしさは、アマチュアの比ではないだろう。なぜだ? と考え始めれば、噛みあっていたはずの歯車さえ疑わしくなり始める。

実は、矢野には1つ思い当たることがあったという。2010年1月1日から世界一斉に施行された「クラブフェースの溝の新しい規則」。いわゆる“角溝規制”だ。

クラブフェースに刻まれた溝の縁の部分をより鋭く加工する技術などが進んだことで、フェアウェイからのショットとラフからのショットでスピン量に差が出にくくなったことを受けて縁の鋭さなどに制限が設けられた。当時流通していたウェッジのほとんどが規制対象となった。

アマチュアレベルではなかなか体感し得ない規制だが、ボールを操るため、大会ごとにソールやネックなどにミリ単位の調整を施す選手もいるプロレベルだと、影響を受ける選手も少なくない。もともと「上げて止めるショットが多かった」という矢野は、「ボールが止まりづらくなった」と感じていた1人だった。

もちろん本人はそれだけを不振の原因とはしていないが、事実として、その規制以降、矢野の年度成績は明らかに下降傾向となっている。

頭にある弾道のイメージを大事にすれば、かかりにくくなったスピンをなんとか増やす方法を模索しなければならない。頭にパッと浮かぶ弾道イメージを一新し、対応する技術をものにすることは、決断することすら容易ではない。揺れる心がいつしかアプローチの苦手意識となり、大きなミスが出るようになった可能性はある。

この日の最終18番(パー5)では、グリーン左サイド、ライの悪いラフからの3打目アプローチで、ウェッジショットでの転がしを試みた。低めに出した球はカラーで止まりピンまで7mを残して2パットのパー。「『6』を限りなく打たないように」と矢野本人が明かした通り、転がしの保険は効いた。

最終日の優勝争いは“攻めの転がし”が必要になるかもしれない。(山梨県北杜市/糸井順子)

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2015年 ISPSハンダグローバルカップ



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