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「プロ人生最高の思い」宮里藍は瞳に涙、感謝の気持ち最後まで

◇国内女子◇サントリーレディスオープンゴルフトーナメント 最終日(11日)◇六甲国際GC(兵庫)◇6538yd(パー72)

宮里藍は今季限りでの引退を表明後、初めての出場試合を感謝の涙で終えた。1アンダー33位タイから出た最終ラウンドは5バーディ、4ボギーの「71」で回り、通算2アンダーの26位タイ。国内ラストゲームとなる可能性のある中、4日間を通じて大会最多となる3万4750人の観客の前で、しっかり雄姿を見せた。

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最終18番グリーンに上がる直前、宮里は両足をそろえ、一礼して歓声に応えた。カラーから4mを残したパーパットを沈め、ガッツポーズで締めくくると、緊張の糸をようやくほどいた。「もう、自分の気持ちを抑えなくていい」。万雷の拍手を浴びて、大きな瞳から涙があふれ出る。それでもスコア提出に向かう途中、ラウンドに帯同したボランティアスタッフの顔を見て、普段通り、はっきりと「ありがとうございました」と言った。

9132人が足を運んだ日曜日は「朝からヤバかった」と感傷的になりかけた。ショットが思うようにいかないまま、14年のプロ生活で培ってきた我慢強いプレーで魅せた。10番で花道から残り25ydの3打目をSWでチップインさせてバンザイ。12番はグリーンサイドのバンカーからカップに沈めるバーディで再び大歓声を呼ぶと、涙がこぼれ落ちそうになった。

「(グリーンの)外から2つ入ってくれて良い流れになった。私らしい内容だったと思います。18番ホールは打ち下ろしなので、ティグラウンドからすごい景色だった。こんなに人で埋まるなんて…」と声を震わせる。「自分が想像していたより、何倍もの人が見に来てくれた。こんなに幸せなことはない。プロ人生で最高の思いを経験した」

「サントリーレディス」では、中学3年生だった2000年、当時の予選通過最年少記録の14歳11カ月で決勝ラウンドに進出した。東北高時代の01年からの3年間は、毎年ローアマチュアに輝いた。03年秋のプロ転向直後にサントリーと所属契約を結ぶと、翌04年大会で優勝。「やっぱりもう一回勝ちたかった」という心残りはあるが、この日は同社のイメージカラーである水色のウエアを選び、ホールアウトしてからもコースに残って感謝の思いを伝えるため、表彰式にも出席した。

ラウンド後のインタビューで、宮里は丁寧に質問に答えながらも、何度もせき込んでいた。大会を通じて体調が万全だったとは言い難い。父でコーチの優さんは「4日間良く走り抜いた。最後は長いパットを入れて良かった。ギャラリーの方が、ため息で終わるか、歓声で終わるかではまた違う。良い“劇場”になったんじゃないかと思います」と称えた。

近日中に渡米し、主戦場の米ツアーでのラストイヤーを再開させる。メジャーを中心とした残りの大会に全力を注ぐ。「シーズンはまだ終わりではないので、まだ頑張りたい。できれば、結果で最高の恩返しをしたい。それまでしばしお付き合いください、という感じです」。宮里藍劇場は海の向こうでまだ続く。(兵庫県神戸市/桂川洋一)

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