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石川遼

遼、崖っぷちからスーパーショットで予選通過

フロリダ州のベイヒルクラブ&ロッジで開催中の米国男子ツアー「アーノルド・パーマーインビテーショナル」2日目。石川遼は3バーディ、3ボギー、1ダブルボギーの「74」で回り、通算3オーバーの61位タイで決勝ラウンドに進出した。

1オーバーの38位タイと同大会2年ぶりの予選通過圏内で2日目を迎えた石川は、前半から顔をこわばらせた。アイアンショットの距離感が合わずチャンスが作れない。2番で2メートルのパーパットを外してボギーが先行すると、5番で3メートルを沈めてバーディを取り返すが、またも7番、9番とボギーを出した。

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後半アウトも必死に耐える展開。11、12番ではティショットを思い切り左に引っ掛けるなど、ドライバーショットまで暴れだす。両ホールはバンカーからのチップイン、4メートルのパットをしぶとく決めてパーを拾うが「心が折れそうになった。崖っぷちだった」とギリギリの精神状態が続いた。そしてさらに15番ではアプローチのミスが続き、5オン1パットのダブルボギーで通算5オーバーまで後退。「正直、予選通過は厳しいかなと思った」。

ところが16番(パー5)、ティショットを右に曲げながらも、林から脱出した後の第3打をピンそば50センチにつけてバーディ。17番(パー3)では、ビーチバンカーの奥に切られたピンを果敢に攻めてパーを奪った。そして名物ホールの18番、フェアウェイ左サイドからの第2打は残り179ヤード。「すごく緊張していたけど、構えた瞬間、大丈夫な気がしたので思い切り行きました」。グリーン右で口をあけた池を恐れることなく放った7番アイアンでのショットはピンを突き刺し、最後は30センチのバーディパットを決めて巨大ギャラリースタンドから拍手喝采を浴びた。

カットラインギリギリの予選通過。結果的に18番で放ったスーパーショットで残り2日間のプレー機会をもぎ取った。「去年は崩れてから立て直せない自分がいた。届かなかったあと1打、2打が、今年は届くようになったのかなと思う」。今大会は2週間後の「マスターズ」前の自身最終戦。「ここで良いプレーを出来た選手は、オーガスタでも良いプレーが出来ると思う。だからなんとしても予選を通りたかった」と胸をなでおろす。「(18番のように)いかに無心で打てる瞬間を増やせるか。それを舞いし合い続けられるような選手が、メジャーでも優勝争いができる」と一打の価値を噛み締めた。

目標のひとつとして掲げるのが、今大会終了後の世界ランク50位以内の確保。現在50位の石川は、予選落ちすれば、そこから弾き出されることは決定的で、その挑戦権をまだキープした。しかし、決勝ラウンドで下位からスタートする事実には変わりない。「縮こまって、遠慮したラウンドにならないようガンガン行きたい」と、再び表情を引き締めた。(フロリダ州オーランド/桂川洋一)

2012年 アーノルド・パーマーインビテーショナル



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