2012年 全米オープン

W.シンプソンが逆転でメジャー初制覇!T.ウッズは21位

2012/06/18 11:27
昨シーズン、才能が開花した26歳のシンプソンが混戦を抜け出しメジャーを制した。

◇米国男子◇全米オープン 最終日◇オリンピッククラブ(カリフォルニア州)◇7170ヤード(パー70)

“世界一決定戦”の大舞台で新たなメジャーチャンピオンが誕生した。3日目を終えて首位とは4打差、3オーバーの8位タイから出たウェブ・シンプソンが、4バーディ、2ボギーの「68」をマークし、通算1オーバーとして逆転優勝。昨年度の米ツアー賞金ランキング2位に輝いた26歳が、初のメジャータイトルを獲得した。

最終組でラウンドしたグレーム・マクドウェル(北アイルランド)が、マイケル・トンプソンと並び1打差の2位タイ。マクドウェルとともに首位タイでスタートしたジム・フューリックはトップで最終ラウンドを引っ張ったが、ノーバーディで「74」。通算3オーバーの4位タイに終わった。

タイガー・ウッズは首位とは5打差、通算4オーバーの14位タイから出たが、開始6ホールで6つスコアを落とし優勝争いからは脱落して「73」で通算7オーバーの21位タイ。日本勢でただひとり決勝ラウンドを戦った藤田寛之はノーバーディ、2ボギー、1ダブルボギーの「74」で通算13オーバー、51位タイでフィニッシュした。

試合の結末をともに見守り続けたダウド夫人と、メジャー初勝利の喜びを分かち合った。

<メジャー初タイトルのシンプソン「言葉にならない」>

時とともに濃さを増す霧が視界を狭めていったように、タイトル争いも終盤に近づくにつれて、まったく予測がつかない混沌の展開となった。最終組を回るフューリックとマクドウェルがゆっくりと下降線をたどる一方、最終組の3組前から4打差を追ってスタートしたシンプソンが、最難関の6番で1.5mを沈めてのバーディ。これが猛追の始まりだった。

続く7番、さらに8番(パー3)でも5mを捻じ込む3連続バーディで一気に優勝戦線に浮上すると、10番では2打目をピン手前80センチに絡めるスーパーショット。通算1オーバーとし、首位のフューリックに1打差まで肉薄する。その後、13番でボギーを叩いたフューリックをついに捕らえ、そのまま迎えた最終18番。左ラフからの2打目をグリーン右のラフに打ち込むピンチを迎えるが、約10mのアプローチをピン奥1mにピタリと寄せてパーセーブ。通算1オーバーの首位タイでホールアウトし、ダウド夫人とともに後続の結果を待った。

「2人ともメジャーで勝っているし、上がってくると思っていた」。不安と期待が入り混じる目で見つめるモニターの中ではしかし、フューリックが16番(パー5)でボギーを叩き、ついに単独首位に浮上する。フューリック、マクドウェルともに1打差で迎えた18番も、フューリックが3打目のバンカーショットでグリーンをオーバーさせ、さらにマクドウェルも7mのバーディパットを外して決着。「信じられない。言葉にならないよ」。メジャー初タイトルを手にするとともに、母国に3年ぶりとなるナショナルタイトル奪還をもたらした。

16番ホールでティショットを曲げてしまった。距離を稼ぐか、安全に出すか、ルートを検索中
木の枝を切り落とした跡に腰掛けて、悠然と観戦。どうやってそこに上ったの?
すばらしい舞台を提供してくれた名門クラブ。サンフランシスコのダウンタウンにもクラブの施設がある
ゴルフコースは広大でも、カップ周りは鼻毛切りを使って丁寧に整えてます
あと一つバーディパットが沈んでいたら、というような展開が続いた。単独9位でフィニッシュ
表彰式に乱入した酔っ払いは、即座に取り押さえられました。会場には何人もの警官が警備しています
全米オープン最終日は毎年父の日にあたる。子供連れのお父さんもたくさんいた
悲願のメジャー制覇は今回も達成できなかったが、再び必ずチャンスは訪れる!
ホスラーのキャディがバンカーを鳴らしている間に、ダフナーがキャディの替わりを演じた
最終日に-2でプレーし、4位タイでフィニッシュ。メジャーで久々の優勝争いを演じた

2012年 全米オープン