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2022年 全米女子オープン
期間:06/02〜06/05 場所:パインニードルズ・ロッジ&GC(ノースカロライナ州)

進藤大典 PGAツアー・ヤーデージブック読解

飛距離にビックリ 全米女子で光ったアマ馬場咲希のポテンシャル

毎週PGAツアーのホットな話題をピックアップする本コーナー。今回は特別編として「全米女子オープン」について触れさせてください。

舞台となったのは、名匠ドナルド・ロス設計のノースカロライナ州パインニードルズ・ロッジ&GC。2014年に史上初の男女同会場での連続開催となったパインハーストNo.2とよく似たコースです。パインハーストといえば、少しでも外せばどこまでも転がっていってしまいそうな傾斜に守られた砲台グリーンが特徴。ひとつのミスがボギーどころか致命傷になりかねない、非常にタフなコースです。

パインニードルズもポイントはやはり共通していました。一見フェアウェイはワイドでラフもありませんが、フェアウェイキープに失敗したときのリスクが恐ろしい。林に打ち込めばトラブル必至ですし、硬い茎を持つワイヤーグラスにつかまったときはレイアップを強いられるケースがほとんど。ショートサイドからのアプローチでパーを拾うのは至難の業。シビアなピン位置に加え、風が吹いた最終日にアンダーパーで回った選手は2人しかいませんでした。

僕が最も注目していたのは、馬場咲希選手(日本ウェルネス高2年)。日本人アマチュアとして8年ぶりに予選を通過したから急に話題を持ち出すわけではありません(笑)。実は渡米前に縁あって一緒にプレーする機会があったのです。

175㎝の長身とともに驚かされたのがヘッドスピードの速さと飛距離。一般男性に比べれば飛ぶ方だと自負していますが、ほぼ変わらないどころか、僕が負けてしまうホールもありました。これまで女子選手と回ったときに飛距離で負けたことはなかったので、ただただ笑ってしまうばかり。

試合が続く中で体重が落ち、米国では本来の飛距離を発揮しきれなかった部分もあったと聞きます。それでも、3日目のドライビングディスタンスでフィールド14位の272.70ydを記録。末恐ろしい17歳ですね。

コーチとの話し合いで持ち球をドローからフェードに変えてゴルフが変わったとのこと。ゴルフに対する貪欲な姿勢も印象的。僕とゴルフをしたときも、前日から質問を考えてきてくれたそうです。プロの試合で経験したこと、学んだことをすぐに練習で取り入れ、自分のショットはランを含めて細かくメモして手元にデータを残すあたりにも、素晴らしい向上心を感じました。

ひとつのことに没頭すると、ひたすらそれをやり続ける性格で、周りが止めに入るほどブレーキが利かないこともあるのだとか。けがだけには気をつけつつ、まだまだ若い選手ですから、それくらい前のめりでもいいのではないでしょうか。タフなコースでハイレベルな選手に囲まれた4日間は貴重な経験となったはず。目標とする米ツアーへ、ぜひ羽ばたいていってもらいたい楽しみな選手です。(解説・進藤大典)

進藤大典(しんどう・だいすけ)
1980年、京都府生まれ。高知・明徳義塾を卒業後、東北福祉大ゴルフ部時代に同級生の宮里優作のキャディを務めたことから、ツアーの世界に飛び込む。谷原秀人、片山晋呉ら男子プロと長くコンビを組んだ。2012年秋から18年まで松山英樹と専属契約を結び、PGAツアー5勝をアシストした。

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