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2012年 全米オープン
期間:06/14〜06/17 場所:オリンピッククラブ(カリフォルニア州)

【WORLD】公平さの限界/98年全米オープン オリンピッククラブ18番グリーンの舞台裏

US Golf Digest (2012年6月号) texted by Ron Whitten

98年の全米オープン以前から始まっていたグリーン再建の話には、終止符が打たれたが「グリーンの後方部分は、あと2つはカップを切れるように、再建するか何かをする必要がある」とミークスは言った。

しかし、オリンピックのクラブメンバーたちは、この件はメディアが大騒ぎしすぎだと考えた。結局、あの金曜日、リー・ポーターはイーグルを決めた。ジャック・ニクラスは、レーマンのパットとほぼ同じラインながら38フィート(約11.6m)のパットを沈めて予選を通過した。全体では、あの日、あのホールで20のバーディも記録されたのだ。レーマンの4パットが散々だったように、タイガー・ウッズは木曜日の9番と金曜日の6番で4パットし、ジャスティン・レナードも15番で4パットした。これらのパットを考えれば、(金曜日の17番だけの)カップ位置が公平ではなかったと言えるだろうか?

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オリンピックのメンバーたちは、神聖な18番グリーンを改修するつもりは毛頭なかった。だが、2000年秋、クラブチャンピオンシップが行われた時、当時グリーンキーパーだったジョン・フレミングは、カップを左後方に切った。何人ものプレーヤーが3パットした。中には4パットした者もいる。関係者によると、フレミングはこの大会でのグリーンスピードを、あの全米オープンよりも速く設定していたという。メンバーたちは不平を述べ、グリーン審議会がフレミングに対策を頼むと、フレミングはグリーン後方部分を数フィート低くして、スロープがないように見えるようにした。

「パンケーキみたいに真っ平らだった」と言うのは、現在オリンピックでゴルフメンテナンスオペレーションのディレクターを務めるパット・フィンレン。彼は2002年にフレミングが職を退いた後、就任した(フレミングは2011年11月に70歳で他界した)。

2005年6月、USGAが2012年に全米オープンがオリンピックに再び戻ると発表した時、グリーンの改修が再来の前提条件ではなかったことを明らかにした。「我々は、クラブが主導権を握って改修したことを称賛する」と、当時USGA代表だったフレッド・リドリーは話した。

2007年の「全米アマチュア」で、新しいグリーンが初めてお目見えした。デービスは、このトーナメントを今年の全米オープンのテストとして使ったのだ。「初めて見た時に、すくみ上がったことを覚えている」とデービスは話す。「平らにしすぎていたんだ。あのホールから全戦略を奪い去っていた。ティショットを打って、ウェッジでグリーンへ乗せるというゴルフ以下のものになるだろうとわかったよ。すべての仕掛けは、ボールをピンの後方に落としてはいけないというものだったが、今では、グリーンのどこに打っても関係なくなってしまった」。

当時の記者に対して、デービスはもう少し社交辞令のような返答をしている。「もしグリーンの状態が今と1998年の中間だったら、おそらくベストだっただろう。もし2012年より前に改修するなら、サポートするつもりだ」。だが、クラブはこのヒントに気がつかず、18番グリーンを再改修する予定は立てなかった。そして、2008年秋、芝生が疫病に感染したため、クラブは伝統だったグリーンのポアナをベントグラスに変えざるを得なかった。

設計家のビル・ラブは、再改修を討議するため、クラブに呼び出された。「18番グリーンに到着すると、そこには本当のチャレンジとなるものが何もないことは明らかだった」とラブは言う。「再び機能的でないものにしないようにしつつ、本来持っていた特徴をもう少し取り戻す必要がある、という意見で全員が一致した」。

オリンピックの新しく改善されたグリーンは、再び後方から前方にかけて、約4%の傾斜がついた。グリーンは後方が幅広くなり、前方の新しいロケーションに加え、後方の左右にもカップを置けるようになった。「このコースの中で、今でも一番小さいグリーンだ」とフィンレンは言う。「狭い。でも、今では7カ所にカップの位置を取れるようになった(3つが練習ラウンド用で、4つがトーナメント用)。たぶんね」。

デービスは言う。「このグリーンに対して、まだ怖さというものがあるだろう。こんなに小さいグリーンなのだから、グリーンを外したら、常にタフな状況が待っている。だが、かつてこのグリーンが持っていた怖さではない。今では、18番よりも17番のほうがもっと怖いと言えるんじゃないか(17番は右側に鋭く傾斜している)」。

1998年の全米オープンに参戦したプレーヤーの中には、18番グリーンの悪名高きカップ位置を漠然としか覚えていない者もいるかもしれない。だが、フィル・ミケルソンは今でも鮮明に覚えている。「かなりカップ位置は悪かったけど、最悪ではなかった」とミケルソンは言う。「最悪なのは、(2004年大会の)シネコックの7番だね」。だが、2004年の話をするのは、2018年6月に全米オープンがシネコックに戻るときにすることにしよう。

米国ゴルフダイジェスト社提携
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