マスターズVクラブセッティング ギア担当者が感じた松山英樹の変化
◇メジャー第3戦◇マスターズ 最終日(11日)◇オーガスタナショナルGC(ジョージア州)◇7475yd(パー72)
松山英樹は2021年、目澤秀憲コーチをチームに迎えてスイングの改良に傾倒した一方で、ギアのセッティング変更は近年に比べておとなしかった。昨年秋に新調した1W、ダンロップ スリクソンZX5ドライバーが手に馴染み、今年すべての試合で使用。今大会も直前まで内部の細かいチューニングを行ったが、モデル変更はなかった。
1Wのシャフトは紆余曲折を経て、数年来愛用するグラファイトデザインのツアーAD DIへの信頼は揺らいでいない。そして、オーガスタでもスーパーショットを連発したスリクソン Z-フォージドアイアンは自信を持って握れる武器となっている。
1W、3Wに次いで長いクラブは、ウッド型と併用するテーラーメイドのアイアン型UT(SIM UDIユーティリティ)を今大会は使用した。
スコッティキャメロンのパターは2週前の「WGCデルテクノロジーズマッチプレー」から、これまでの“エース”とは違うモデルを握った。同じピン型だが、ソールにウェートが入っており、グリップも太いラムキン製(コード入り)に差し替えたものだ。ボールは2月「ジェネシス招待」から今年発売のダンロップ Z-STARのニューモデルを使用している。
ダンロップのドライバーとアイアンがマスターズを制したのは初。2020年から米国で松山をサポートする住友ゴム工業の用具担当者・宮野敏一氏は「傍から見ると、以前と変わらず『松山選手はいろいろギアをいじっているな』と思われるでしょうが、最近は同じようで確実な変化もあります」と言う。
「去年は“手あたり次第”“手探り”といったクラブ選びでしたから、突拍子もない要求にもこたえられるよう、こちらも準備していました。しかし今年は目澤コーチが来て、頭の中でスイングが整理されたことで、プロの言葉も明確になったように思います。自分の中で評価基準がまとまりつつあるのでは」。快挙への準備は段階を経て整っていた。
<最終日のクラブセッティング>
ドライバー:ダンロップ スリクソン ZX5(ロフト9.5度)
シャフト:グラファイトデザイン ツアーAD DI-8 (硬さTX、長さ45.25)
フェアウェイウッド:テーラーメイド SIM2(3番15度)
ユーティリティ:テーラーメイド SIM UDI ユーティリティ(3番19度)
アイアン: ダンロップ スリクソン Z-フォージドアイアン(4番―PW)
ウェッジ:クリーブランド RTX4 フォージドウェッジ(52、56、60度)
パター:スコッティキャメロン ニューポート2 プロトタイプ
ボール:スリクソン ZスターXV