稲森佑貴の「ヘッドに仕事をさせる」1W 飛距離の差はクラブ構成でカバー
◇国内男子◇ACNチャンピオンシップ ゴルフトーナメント 最終日(8日)◇三甲GCジャパンコース◇7295yd(パー72)◇曇り(観衆2210人)
稲森佑貴が自身初のプレーオフの末、ソン・ヨンハン(韓国)を1ホール目で破り今季初優勝、ツアー通算5勝目を挙げた。国内ツアーのフェアウェイキープ率で7季連続1位に君臨する“日本一曲げない男”らしく、今大会でも正確なティショットがさえた。
キープ率は1Rがノーミスで100%、2Rと最終Rが78.571%(11/14)、3Rが92.857%(13/14)と、4日間通算87.5%(49/56)で1位。ティショットの精度が4日間通算のパーオン率1位(77.778%)につながった。優勝はフェアウェイからチャンスを作るというゴルフのセオリーを実践した結果だったといえる。
そのプレースタイルを支えるのが、契約を結ぶ住友ゴム工業(ダンロップ)のドライバー「ZX5 Mk II」だ。昨季終盤の「カシオワールドオープン」で、同社の「スリクソンZX7」からチェンジした。「僕は“ヘッドが仕事をして、ボールが捕まってほしい”タイプなんです。ZX7も同じぐらい良いのですが、バランス、調整が少しだけシンプルというか」と現在のエースを選ぶ理由を説明した。
稲森は“曲げない”と同時に、“飛ばない”ことでも知られる。今季ツアーの平均ドライビングディスタンスは「263.81yd」で108位。1位の河本力が「324.92yd」だから、その差は「61.11yd」。飛べば、その分曲がるリスクが上がるわけで仕方のないこととはいえ、セカンドショットの番手で5つ前後も違ってくる。
そんな飛距離のハンデをクラブ構成でカバーする。「上(長い番手)を厚くしたいから」とウッド3本、ユーティリティ2本、アイアンは5番からバッグに入れ、ロングゲームをクラブに頼る。ウェッジは2本だけ。ショートゲーム、グリーン周りでは、フェースを開いたり、閉じたりと本数の少なさをスキルで勝負している。
<最終日のクラブセッティング>
ドライバー:スリクソン ZX5 Mk II(10.5度)
シャフト:フジクラ スピーダーNX 60-X(長さ45インチ)
グリップ:エリートグリップ
フェアウェイウッド:スリクソン ZX Mk II(3番15度、5番18度)
シャフト:フジクラ ベンタス ブルー 6X
ユーティリティ:スリクソン ZX(3番19度、4番22度)
シャフト:トゥルーテンパー スチールファイバーi95
アイアン:スリクソン ZX5 Mk II(5番~PW)
シャフト:日本シャフト NSプロ モーダス プロトタイプ(硬さS)
ウェッジ:RTX 6 ZIPCORE ウェッジ(50度)、クリーブランド RTX DEEP FORGED 2(58度)
シャフト:日本シャフト NSプロ モーダス プロトタイプ(硬さS)
パター:オデッセイ ストロークラボTEN
ボール: スリクソン Zスター