週刊GD

今季好調、タイガーのパッティング。なぜ入る?

2013/04/26 22:29

「週刊ゴルフダイジェスト」特集「パットストロークを解析した」(5月7・14日号)より

タイガーのパッティングストローク。左が2006年、右が2013年だ

5度目のマスターズ制覇で完全復活、とはいかなかったが、今季すでに3勝と好調のタイガー。

その要因のひとつが、勝負どころできっちり決める、彼本来のパッティングが戻ってきたことだ。

「長く愛用していた『スコッティキャメロン』から、ナイキの『メソッド001』にパターを替えましたよね。両者の大きな違いはロフト角。『キャメロン』の4度に対して、『メソッド001』は2度と、ロフトが立っているんです」

ロフトが違うと、ボールの転がり方が変わると話すのは、ツアープロにしてショートゲームに特化したプロコーチでもある石井忍プロ。

「『キャメロン』は、打ち出しで横滑り(スキット)をしてから転がり始めますが、ロフトが立っている『メソッド』はスキットが少なく、ボールが順回転に入るのが早いんです。06年と13年の写真を見ると、打ち方(ストローク)が変わっているのがはっきりわかります。キャメロン時代はグリップエンドを支点に、振り子のようにストロークしていましたが、現在はインパクト以降、フォローで手元を少しスライドさせ、ヘッドを低く動かしています」

ロフトが立っている『メソッド』は、振り子式よりもスライド式のほうが相性がよく、そのストローク改造が完成に近づいているのではないかと、石井プロは分析する。

「マスターズでパットが不調だったのは、スライドさせる意識が強すぎて、ボールのつかまりが悪くなったのが原因だと思います。タイガーはもともとフェースの開閉を使って、ボールをつかまえるストロークをするタイプでしたから。ただ、そこは次のメジャーの全米オープンに向けて、しっかり修正してくるでしょう」

●解説/石井忍(いしいしのぶ)
ツアープロ。ペルツやストックトンのようにアプローチ&パットレッスンに特化した日本初のプロコーチ。近年は金田久美子などのプロや学生を教える。