週刊GD

有村智恵米ツアー本格デビュー。“世界”への第一歩

2013/03/05 16:06

「週刊ゴルフダイジェスト」(3月19日号)より

昨年は国内で賞金女王争いを繰り広げた有村。その気力、体力、技術力を充実させて米国で戦う。視線はしっかり先々を見据えている

いよいよい有村智恵の米ツアー本格デビューイヤーがスタートした。あいにくV争いには絡めなかったが、16年のリオ五輪を視野に入れた海外挑戦ははじまったばかり。ワクワクどきどきのシーズン初戦は、2年前優勝争いを演じ2位に入った思い出の大会「HSBC女子チャンピオンズ」(セントーサGC・シンガポール)だった。

大会3日目、女王ヤニ・ツェンと同組でラウンドした有村。「英語は苦手」といいながらヤニのジョークに白い歯を見せるなど和気あいあい。大勢のギャラリーに囲まれ早くもツアーに居場所を見つけたようだ。

オフにフロリダで1カ月みっちり芝の上から練習しただけあって、グリーン周りで絶妙なアプローチを連発するなど、しぶといパーセーブを繰り返したのだが……。

「でも歯がゆいショットが多かったです」とチャンスを作れず、「いくら練習しても実際の試合でどうなるかは別。我慢したつもりですが、やっぱりもう少しショットの精度を上げなければ」反省の弁が口をついた。

米ツアー挑戦は親交のある五輪選手たちの影響で「4年に1度、あの緊張感のなかで戦いたい。そのためには海外で経験を積まなければ」と考えたから。同じコーチに師事するチェ・ナヨンも常々「目標は五輪で金メダル」と語っており、ライバルが優勝戦線を引っ張ったことが有村の闘争本能にさらなる火をつけた。

目標の“ルーキー・オブ・ザ・イヤー”獲得のためにも1戦1戦気の抜けない勝負が続くことになる。