いいゴルフ人生を送る“ひらめき”とは?
「週刊ゴルフダイジェスト」連載「とにかく80台で回りたいんだ!」(2013年1月8・15日号)より
大のゴルフフリークとして知られるコラムニスト・木村和久氏は、これまで多くのプロのレッスンを受けてきたが、なかなか上達せず悩んできた。しかし、その「プロの教え」にバカ正直に従うのではなく、様々なレッスンのエッセンスを取り入れながらも、アマチュアなりに工夫して楽しみながら上達するほうがいい、と「89ビジョン」(彼はそう呼んでいる)を提唱、誌面で紹介している。その中から、彼が説く“ゴルフ練習の極意”を紹介しよう。
「ゴルフが上手くなりたかったら、練習しろといいますが、それは練習回数を増やし、スキルアップし、フォームが固まることと、微妙に違ってきます。もちろん反復練習は大事ですが、それよりも練習をしているあいだに、新しい技や工夫がひらめくか。それがあるかないかで大きな差が出ると思います。
最近週2~3回のペースで練習していますが、その練習が凄く楽しいのです。今日はどんな按配で工夫をしようかとね。たとえば苦手な6番アイアンをどう打つか。最近当たりが薄いので、あくまでもイメージですが、縦振りから横振りに変えてみたり、スタンスを狭く、そしてグリップを短く持ってみたりとか、あ~でもない、こ~でもないと打っていると、あっという間に時間が過ぎていきます。
そして何パターンか試行錯誤して、これだと思ってフォームを固め、何回か実戦風に打ってみる。すると飛ぶには飛ぶが、今度はシャンクが出るようになった。じゃあシャンク防止に、何か工夫して練習をするか、いやいっそ6番アイアン相当のユーティリティに替えようか、とやりくりして大忙し。気分はF1レースのピットクルーぐらいの、せわしなさですか。
練習した後、いよいよラウンドとなりますが、それが単なる親睦コンペでも、自分にとっては、新しい打法の試し打ち大会になるわけで、頭のなかはF1でいったら、テストドライバーくらいの興奮でしょうか。
結果をいうと、10個新しいアイデアがひらめいて実戦で使えるのが、ひとつあればいいほうですよ。そして練習場だけで、ひらめこうとすると、煮詰まってしまいます。そこで雑誌などのメディアを使って情報収集するわけです。
この練習→ひらめき→実践→修正→ラウンド→コンペで勝って豪華景品ゲットの連鎖を進めていくと、ゴルフ人生がいい方向に好循環しだすんですよね。」
こうした話には、ともに連載を担当する漫画家・福本伸行さん(「カイジ」「アカギ」などの作品で著名)も納得。2013年も2人で「89ビジョン」の実践が続く・・・。