マキロイ:パインハーストにはギア変更が必要
By Jonathan Wall, PGATOUR.COM Follow @JonathanRWall
ナイキ所属のプロとして2年目を迎えたロリー・マキロイの調子は最高潮である。2013年シーズン序盤の不調を乗り越えた2度のメジャー優勝者はエミレーツ・オーストラリアン・オープンでの堂々たる優勝でシーズンを締めくくった。
今シーズンは2度の2位フィニッシュ、トップ10入り8回、そして先月行われたヨーロピアンツアーのBMW PGAチャンピオンシップでの優勝と好調である。現状からすると全米オープンの優勝候補の一人であることは間違いない。
今年2度目のメジャー大会を前にマキロイは新しくバッグに入れたナイキVR X3Xトウ・スイープ・ウェッジ(59度)について、ローンチモニターのデータをクラブテスト時に重要視すること、新しいクラブにどれだけの時間を費やすか等、パインハーストでのクラブ変更予定やその経緯等をPGATOUR.COMの取材に対し話してくれた。
■ パインハーストでの練習ラウンド終了後にクラブのセットアップを変更する予定ですか?
3番アイアンは、ナイキVR PROブレードアイアンをバッグに戻すよ。今年は4番アイアンからでウェッジは4本というセットアップだったけど、パインハーストでは3番アイアンを戻して、ウェッジは3本。3番アイアンでティショットを打つ必要があるホールが幾つかあるし、パー3でも2日間位は3番アイアンが必要だと思う。
■ どのウェッジを抜くのか。ロングアイアンを加える代わりにウェッジを通常の4本から3本に変える意図は?
パインハーストでウェッジは殆ど必要ないから、特にグリーンを狙うときはね。パー4での2打目は殆どロングアイアンかミドルアイアンだから、ウェッジを4本バッグに入れる必要はないね。
通常ピッチングウェッジ、52度、56度、59度の4本のウェッジをバッグに入れているけど、全米オープンではピッチングウェッジ、54度、59度の3本でいくよ。52度と56度を抜いて、54度が入ることになる。
■ 貴方は優勝したBMW PGAチャンピオンシップの週に、ナイキVR X3Xトウ・スイープ・ウェッジ(59度)をバッグに加えました。あのウェッジを加えた理由とそのテスト過程を教えてください。
初めてトウ・スイープ・ウェッジを見た時、通常のウェッジとは明らかに顔つきが違ったよ。BMW PGAチャンピオンシップの前週、どんな感じか知りたかったから僕は家でトウ・スイープ・ウェッジで遊んでいたんだ。ラフから数発打ったとき、今まで使用したどのウェッジに比べてもラフからのボールコントロールが容易であることがわかったんだ。
だからグリーンを外したときにほぼ間違いなくラフからのショットになるウェントワースでバッグに入れたんだよ。最終日でのショートゲームのおかげで優勝できたと言えるわけだから、非常に優秀なウェッジだよ。
■ パインハーストでもトウ・スイープ59度ウェッジをバッグに入れますか?
パインハーストのグリーン周りはラフが無いからバッグに入れるかまだわからない。トウ・スイープ・ウェッジみたいなクラブを必要としないタイトなライがグリーン周りに多く存在するから、ナイキVRフォージドの59度に戻すかもね。
あのウェッジは毎週バッグに入れるウェッジじゃないよ。だからといって、全米プロや幾つかのフェデックスカップトーナメントのようにグリーン周りのラフが深いコースでもあのウェッジをバッグに入れないと言うわけではないよ。オプションとして持つには非常に優秀なウェッジだよ。色んなバウンスやソールのグラインドを選べるからラフからのショットのオプションとしては重宝するんだ。
■ ナイキVRSコバート2.0ツアードライバーとRZNブラックボールの組み合わせがキャリアの中で最高のコンビネーションだと去年の暮れに言っていましたが、その組み合わせがどのように良かったのでしょうか?
ドライバーとボールのコンビネーションに関して全てが上手くいったよ。去年の9月に両方テストし始めて、アジアで開催された幾つかのトーナメントに出場した時バッグに入れたんだけど、非常に満足しているよ。ボールに関してはドライバーショットのみならずショートゲームや全てのショットにおいて満足しているよ。
ドライバーについては今まで使用した中では一番だね。ティショットで意図したショットを全てこなすほどの信頼感だよ。僕が必要としていたボールのスピン量が増えたんだ。ボールの初速も勿論増したよ。信頼しているクラブを握ると可能な限りボールを強く叩く事が出来るんだ。
僕のゴルフはドライバーショット次第。ドライバーが良ければスコアも良い。良いドライバーショットが打てるクラブとボールを持っていることは本当に助けになっているよ。これは僕のスコアにも現れているし、今年の成功を象徴しているね。
■ ドライバー・ボールのコンビネーションが重要なのは理解していますが、シャフトはその方程式のどの部分に当てはまりますか?
シャフトは重要だよ。クラブフェースからボールが離れるときにボールがどのような動きをするか、打ち出し角度、ボールのスピン量、打球の曲がり幅など全てにおいて関係している。人によってはもっとシャフトから伝わる感覚・手応えが欲しいという人もいるね。僕が初めてナイキに来たときは硬いシャフトを好んでいて、シャフトの感覚・手応えは皆無だったよ。でも三菱製のクロカゲに変えてから少しシャフトから感覚・手応えを得るようになったんだ。クロカゲのキックポイントがドライバーヘッドに合っていて、おかげでボールのスピン量が増えたんだ。
シャフトとクラブヘッドは最良のコンビネーションが見つかるまで幾つもの組み合わせを試す必要があるけど、以前のコバートの時に比べると今回は簡単に見つかったよ。
■テストという観点から、クラブを試合で使用する価値があるかどうかの判断にてローンチモニターのデータがどこまで重要になりますか?
テストする時、ローンチモニターのデータのみならずクラブの見た目や感覚も含めバランスよく考える必要があるね。僕はトラックマンを使用していて、非常に優れた機械だけど、実際のボールの動きや手に伝わる感覚も考慮しなければいけないんだ。
データは良い数字を残していても、良い感覚でなければ試合では使わない。僕の新しいドライバーなんかは良い例だよ。データ的にはまあまあ良い数字でスピン量はちょっと多めだったけど僕は気にしなかったね、特にフェアウェイを外せないコースではね。僕にとっては非常に満足のいくドライバーで、高くも低くも打ち出すことができ、思うがままにボールをコントロールできたよ。数字は僕が感じたフィーリングがどのようなものかを確認してくれたけど、初めに数発打っただけでこのドライバーだと確信させてくれた感覚・手応えが最も大事だったね。
■ 数週間前にあなたはウェッジをバッグに加えましたが、用具変更という意味では大部分が年末かシーズン初めに行われました。シーズン中にはどの程度テスト等を行うのですか?
今バッグに入っているクラブには非常に満足しているけど、上達、スコアアップのために常に新しいクラブをテストしているよ。今日は新しい2つのクラブをテストしたんだ。我々は常に優れたクラブを捜し求めて日々テストしている。既に行ったテストの経験から、多分この先6ヶ月から1年の間にナイキからクールなクラブが登場するよ。