2024年 ダイキンオーキッドレディス

「続・△パター戦争」2024年も激闘続く クモとAIがバッチバチ!?

2024/03/01 11:45
ことしの春も戦争勃発

◇国内女子◇ダイキンオーキッドレディス 事前情報(28日)◇沖縄・琉球GC◇6595yd(パー72)

我々は“△ネックパター”の本家であるテーラーメイド「TRUSS」(以下トラス)と、後発ながら飛ぶ鳥を落とす勢いで攻勢をかけるオデッセイ「TRI-BEAM」(以下トライビーム)の戦いを昨年から報じ続けてきた。新シーズンに状況は落ち着くかと思いきや、むしろヒートアップ。開幕戦で両者が新たな△ネックをお披露目し、再びがっぷり四つの戦いを見せていた。

ツアーオンリーモデルもチラホラ

「また、新しいの出すんかい!」という声がチラホラ聞こえてくる。それでも「入るパターがあるなら使いたい」というのが選手心理。練習グリーンに展示されるパターには、気づけば女子プロが群がっていた。

ひときわ目立っていたのが、オデッセイの「Ai-ONE TRI-BEAMパターシリーズ」。名前からも分かるように、「△ネック(トライビーム)」とAIが合体した代物だ。「Aiフェース」の裏側が見えるスケルトン窓と、三角のラケットホーゼルが合体したヘッドがズラーッと並んだ姿は実に壮観。昨年秋口に上田桃子がいち早く試していたプロトタイプが、製品化された形となった。

キャロウェイのパター担当によれば、#1、#2、#5、#7、ダブルワイド、ダブルワイドCS(センターシャフト)、2ボール、2ボールCSと実に多くのモデルがラインアップされた。さらにミルドの打感が人気の「Ai ONE MILLED TRI-BEAMパター」も同時にお披露目。加えてツアーでは、市販予定のないモデル「V-LINE」や「#1CS」なども展開があり、もはや我々取材班も情報量が多すぎて頭の中はパンク寸前だ!

オデッセイのツアー担当と相談する

上田は、琉球GCの練習グリーンでもダブルワイドのセンターシャフトを試していた。自分のエースパター(トライビームダブルワイド)と打ち比べては、キャロウェイのスタッフとゴニョゴニョ相談を繰り返す…。「ヒールヒットしやすいので、そのミスが出ても球の転がりが良くなるように」(オデッセイ担当者)というのが狙い。最終的に試合投入には至らなかったが、スタッフはツアーバンにパターを持ち帰り調整を施す模様。今後の試合での投入の可能性も示唆した。

4機種がラインアップ

一方のテーラーメイドの△パターは、スパイダーとの融合。ロリー・マキロイ(北アイルランド)やダスティン・ジョンソンらが使ってきたツアープロにも人気の高い「スパイダーツアーX」との合体モデルだ。

今までも「クモ」と「△」の融合はあったが(スパイダーGTトラス)、これまではネックに“後付け感”があり、ヘッドとの一体感に乏しい印象があった。今作はネックからボディまで一体となった新構造を採用し、黒いそのデザインも相まってスッキリとして構えやすくなった。

ラインアップは小ぶりな「スパイダーツアーXトラス」と、初代スパイダーに似た「スパイダーツアートラス」、さらに「スパイダーツアーZトラス」など6機種。QT24位の資格で開幕戦に出場しているP.サイパン(タイ)が、「スパイダーツアーX」のヒールネック(TM1)を実戦投入した。さらに開幕戦には出場していないが、昨年プロテストトップ合格の清本美波も同モデルをチョイスしている。立ち上がりの評判は上々のようだ。

現状は各社クラブ契約選手同士によるシェアの攻防だが、試合が重なるとともに契約外選手への波及も進んでくるはず。今後のシェアの状況や、選手の使用感などは、またレポートしていきたい。それにしてもこの△パター戦争、いったいいつまで続くのか。これ以上次なる策はないように思えてしまうが、それでもきっと新しい「△」が出てくるんだろうな…。(沖縄県南城市/服部謙二郎)

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