2024年 フジサンケイクラシック

新「ベンタス」の赤と黒 男子プロたちの評判は? 蝉川泰果、木下稜介らがテスト

2024/09/04 11:20
新しい24ベンタスブラックを試す蝉川泰果

◇国内男子◇フジサンケイクラシック ◇富士桜CC(山梨)◇7424yd(パー70)

久常涼が約5年ぶりにシャフトを代えると話題になった、藤倉コンポジットの新しい「24VENTUS(ベンタス)」シリーズの赤と黒。先週の富士桜でも、男子プロがマット調の新シャフトをテストするシーンが数多く見られた。選手たちのインプレッションをレポートする。

打撃レンジ中央で、24ベンタスも含めていくつかのシャフトを試打していた蝉川泰果。この日打っていたのはグラファイトデザインの新しい「ツアーAD GC」と、「24ベンタスブラック」。これまでは三菱ケミカルの「ディアマナ WB」やグラファイトの「ツアーAD VF」など、いろいろな性能のシャフトを使ってきた。

「今までドライバーの後にアイアンを打った時、なんか振り感が変わって合わないことが多かったんです。アイアンのシャフトがようやく決まってきたので、今はドライバーのシャフトを確定させたいなと」。そこでアイアンの性能に合わせた「クセのないモデル」をいくつか試している段階だという。

新しい24ベンタス黒は振っても左に行かないと評価

新しい「24ベンタスブラック」(6X)に関しては、「思った以上に曲がり幅が少ない印象ですね。振りにいっても左に行かないのがいい」と、やはり現行の「ベンタスブラック」より先端を硬くしてきたという前評判通りのコメント。最終的にGC(6TX)と迷い、試合ではGCを選んだ。「スプーンのシャフトも含めて上手く調整していければ」と今後の新ベンタス投入の可能性は残した。

飛距離5ydアップは大きいと木下稜介

蝉川の近くで「24ベンタスレッド」を打っていたのが木下稜介だ。長らく「スピーダー661 TR2」、「スピーダーNXグリーン」を使ってきた生粋のフジクラユーザー。「マット系の色味、個人的に好きなんですよね」と新しいシャフトをスリスリ。「元々3000回転近くあったスピン量が、2800回転ぐらいに落ち着きました。スピンが減って、キャリーの量も増えました」とトラックマンの数値をチェック。飛距離は5yd近く伸びたという。

「今のシャフトよりちょっと“先が来る”ので、その分も飛距離に繋がっているのかなとは思います。それでいて左に行く感じもないのはうれしい」。なかなかクラブを替えない選手として知られ、試合でいきなり投入こそなかったが、「もう3、4年替えていない」という現行シャフト(NXグリーン)の代わりがようやく見つかったか。

一発打ってこれイイと赤も黒も投入を決めた宇喜多飛翔

この週、24ベンタスシリーズに替えた選手を挙げると、宇喜多飛翔がドライバーをブラック(7X)、スプーンをレッド(7X)に。杉原大河が3Wをブラック(8X)、塚田陽亮も3Wをブラック(9X)へ。スイッチした選手を見る限り、やはりハードヒッターが好むシャフトのようで、赤も黒も“先端しっかり目”の傾向がより強くなった様子。

蝉川の黒(上)と宇喜多の赤(下)

宇喜多が「新しい赤ベンタスは光の具合によってだいぶ色味が変わって見えるので、人の構える角度で色味の印象も変わりそう」と話していたのは興味深かった。実際に構えさせてもらったが、シャフトを上下させると色味の濃淡が変わって見えた。(編集部・服部謙二郎)

新しい24ベンタスの黒をテストする小鯛竜也

2024年 フジサンケイクラシック