「いま僕はココにいます」Vol.17 スイス前編
人は彼のことを“旅人ゴルファー”と呼ぶ。川村昌弘・24歳。2012年のプロデビューから5年間で巡った国の数は20以上。活躍の場は日本だけでなく、ユーラシア大陸全土、そのまた海の向こうにも及ぶ。世界を旅することこそが、幼い頃からの夢だった。傍らにはキャディバッグと小さなスーツケース。ゴルフで旅する渡り鳥の経路を追っていこう。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇
プロゴルファーの川村昌弘です。
いま僕は、クラン・モンタナにいます。
今週は欧州とアジアンツアーの共催試合「オメガ・ヨーロピアン・マスターズ」に出場します。場所はスイス南部のクランスシュルシエレGC。日本での「フジサンケイクラシック」を終えて成田からデンマークのコペンハーゲン、スイスのジュネーブまで飛び、そこから陸路でやってきました。ジュネーブからシエルまでは電車に揺られて2時間半。クラン・モンタナで大会のオフィシャルカーを待ちました。
大変な道のりではありますが、ここは僕の“原点”ともいうべき場所なんです。
14歳(中学2年生)のとき、お隣のフランス・エビアンで行われたジュニアの大会に出場しました。アルプス山脈を望むコースでプレーして、海外でゴルフをする魅力にとりつかれてしまったんです。ここに来て「将来、外国のいろんなコースに行ってみたい」と思ったきっかけになったのが、この場所でした。
年代別のこの大会で優勝した僕は、直後に行われた米女子ツアーの「エビアン選手権」のプロアマ戦に出場しました。一緒の組には、今年「全米プロゴルフ選手権」で優勝したジャスティン・トーマスもいました。同い年のジョーダン・スピースも、ロープの外で帯同していたんです。
「オメガ・ヨーロピアン・マスターズ」への出場は今回が4回目。14歳で「プロになってここでやりたい」と思い、7年後に戻ってきた時に本当に感動したことは今でも忘れられません。秋口は国内外ともに多くの試合がありますが、多少のハードスケジュールになっても、この試合だけは必ず出たいと思わせてくれる大会です。今年もここに来られたことが、まず何よりの幸せ。喜びをかみしめながら、しっかりプレーしたいと思います。
<今週のランチ>
コースのクラブハウスでのランチです。今回は高校時代の後輩をキャディに起用してきました。牛肉のソテーのセット(27フラン)、ペンネアラビアータ(19フラン)、コーラ2つ(10フラン)で、しめて56フラン。日本円にすると……約6380円でした…高いですよね…。