「いま僕はココにいます」Vol.195 スイス編
人は彼のことを“旅人ゴルファー”と呼ぶ。川村昌弘・31歳。2012年のプロデビューから活躍の場を海の向こうに求め、キャリアで足を運んだ国と地域の数は実に70に到達した。キャディバッグとバックパックで世界を飛び回る渡り鳥の経路を追っていこう。
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プロゴルファーの川村昌弘です。
いま僕はクラン・モンタナにいます。
7月の「全英オープン」から少し時間がたちました。今週は「オメガ ヨーロピアンマスターズ」でスイス、クランスシュルシエレGCにやってきました。若い頃から大好きなコースで、シーズン終盤戦をスタートさせます。
メジャーの後、「D+D レアル チェコマスターズ」(43位)、「デンマークゴルフ選手権」(予選落ち)と成績こそ低調だったものの、決して悪くなかった調子と、スコアがかみ合いそうな手ごたえが出てきました。
チェコのコースで初日を「67」で回り、5月初旬の「ボルボ中国オープン」以来のアンダーパーでの滑り出し。デンマークでは暴風雨を浴びながらプレーしていた終盤、強風による中断と再開を経て、予選カットラインが上がってしまう不運もあって残念でしたが、好スコアに繋がらない不安が払しょくされた実感があります。
先週はオープンウィークにして、スイスに先乗り。壮大なアルプスを望みながらマッターホルンのゴルフ場で調整したほか、登山でリフレッシュもしました。世界最急勾配と言われる登山列車に乗ってピラトゥス山へ。たまたま雲ひとつない晴天の日で、美しい山々や湖を撮影できたんです。
会場入り後は2日(月)、4日(水)とプロアマでコースをチェックして準備を整えました。月曜日に一緒にプレーしたのは地元スイスのジュニア選手たち。スポンサーやツアーの関係者の方と回る和気あいあいとした“オトナゴルフ”とはまた違って、真剣そのものの子どもたちとのプレーも、ピリッと刺激になります。
冒頭の写真の女の子はお父さんがプロテニスプレーヤーだったそう。背の高い2人の男の子はまだ14歳! メカニックな理屈に左右されるでもなく、感性を残した、感覚的なゴルフで回る姿に好印象を持ちました。チーム戦で、できる限り良いスコアを出そうとみんな必死。グリーン周りからのアプローチの種類を選択するやり取りでも、僕の考えとみんなの主張が食い違ったりして、本気の“議論”も楽しめました。
DPワールドツアー(欧州ツアー)は今週が「バックナイン」のシリーズの2試合目。まさに“ここから”と言ったところです。フラッグシップトーナメントの「BMW PGA選手権」までまず3連戦をプレーします。大きな大会を4連戦目にするのを避けるため、先週はオフに充てました。秋はかみ合わせがうまくいくのを祈りながら、精一杯頑張ります。