「いま僕はココにいます」Vol.120 スコットランド編
人は彼のことを“旅人ゴルファー”と呼ぶ。川村昌弘・28歳。2012年のプロデビューから活躍の場は日本だけでなく、ユーラシア大陸全土、そのまた海の向こうにも及ぶ。幼い頃から海外を旅することこそが夢で、キャリアで巡った国と地域の数は実に70に到達。キャディバッグとバックパックで世界を飛び回る渡り鳥の経路を追っていこう。
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プロゴルファーの川村昌弘です。
いま僕はセントアンドリュースにいます。
北アイルランドでの「ISPS Handa ワールド招待」を終えて今週はスコットランドに戻り、欧州ツアー「ヒーローオープン」に出場します。レンタカーの旅が続き、ベルファストからはフェリーで海を渡ってグレートブリテン島に帰ってきました。
2週前のウェールズでは5位、先週は3位とおかげさまで好成績が続いています。北アイルランドでは最終日のバックナインで突然風が強くなり、後ろの組がスコアを落として、気づけばトップに1打差…。バーディを獲ればプレーオフになった最終18番でティショットを曲げてボギーにしてしまいましたが、今季ベストの成績を収めることができました。
今週の会場はフェアモントセントアンドリュースというコース。“聖地”とは少し離れています。昨年は10月に行われ、ほんとに寒かった記憶しか残っていません。手がかじかんで、まったくフィーリングがありませんでした。無観客にして“無感覚”試合…。残念ながら予選落ちでした。
今年は8月の開催でギャラリーも入ります。そして、何より試合前は嘘みたいな晴天続き。今週は車で20分ほどのところにあるダンディーの街からの通勤になりますが、スコットランドとは思えないほど青空が広がっています(今のところ)。ワクチン接種が進んだ英国では徐々に日常の風景が戻っており、今大会は選手も試合会場外で出歩くことを認められ、屋外で気持ちよくランニングもできています。
天候に恵まれた開幕前日のプロアマ戦では、高校生のゴルファーと同じ組でプレーしました。曲げるとトラブルが待ち受けるリンクスコースを相手にしても、思い切ってクラブを振る姿が印象的。自分のジュニア時代を思い出し、良い刺激になりました。
そうそう。せっかく近くまで来たので、“聖地”にも立ち寄ってきました。セントアンドリュースでは来年、「全英オープン」が開催されます。思い入れの強い全英のなかでも、オールドコースでの開催は特別に感じます。欧州ツアーも後半戦に入り試合が少なくなってきましたが、今年のうちに出場を決めるのがひとつの目標。ランキングを上げるため、1試合も無駄にはできません。