「いま僕はココにいます」Vol.93 ポルトガル編
人は彼のことを“旅人ゴルファー”と呼ぶ。川村昌弘・27歳。2012年のプロデビューから活躍の場は日本だけでなく、ユーラシア大陸全土、そのまた海の向こうにも及ぶ。幼い頃から海外を旅することこそが夢で、9年間のプロ生活で巡った国の数は実に40に到達。キャディバッグとバックパックで世界を飛び回る渡り鳥の経路を追っていこう。
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プロゴルファーの川村昌弘です。
いまぼくはヴィラモウラにいます。
今週は欧州ツアー「ポルトガルマスターズ」に出場します。スペインでの「アンダルシアマスターズ」に続く“イベリアスイング”の2試合目。いやはや、7月の英国での大会から8連戦目になります。
前週の試合が行われたマラガから、今週の会場まではおよそ400km。途中のセビーリャに2泊して、レンタカーで国境を渡りました。街中に大聖堂があり、とてもきれいな都市でした。ランニングコースを走っていても楽しく、気軽に入れるレストランにはやっぱりパエリアが。食事には本当に困りません。
さて、今回は移動中にちょっとしたハプニングがありました。キャディ兼マネジャーとの2人旅。経費も抑えたドライブがあんなことになろうとは…。
前週マラガで借りたレンタカー。同じEU内での国境越えはコロナの影響もなくスムースですが、別の国で乗り捨て返却するのは料金が何倍も高くつきます。そのため、僕らはポルトガルに入ってすぐのレンタカー店で新しい車を借りて、2台に分かれて一緒にスペインに戻り、前の車を返してから、1台で再びポルトガルに戻るプランを立てていました。
ところが、ポルトガルのお店で案内された自動車に乗ってみると、いつもと様子が違う…。気づけばそれはMT車(マニュアル)。僕らの運転免許はAT限定なので、「予約した通り、車をオートマに替えて」とお願いしにお店に戻ったのですが、まさかの閉店…。あまりの田舎町で、この日のお客は僕たちが最後だったようです。
仕方がないので、そのMT車を置いたまま、ポルトガル内で少し離れた空港にある同じレンタカー会社の系列店へ。ようやくAT車をゲットし、置き去りにしたMT車のカギも預けて、ようやくスペインとを往復してきました。日本や米国ほどAT車が流通しておらず、予約も少しいい加減な欧州では“あるある”。あー、つかれた。
<今週のコース>
ドムペドロ ビクトリアGCは視界が広々としたコース(7191yd、パー71)。巨大な池も口を開けていて、タイなどによくありそうなダイナミックなつくりです。グリーン以外の芝がティフトン系でラフに入ると、スポッと埋まって厄介かもしれません。前週の「アンダルシアマスターズ」で8位に入り、今季初めてトップ10で終えることができました。グリーンがとにかく硬く、我慢比べで4日間通算7オーバー。今週は違った展開になるかもしれませんが、スコアの伸ばし合いにもついて行きたいと思います。