「いま僕はココにいます」Vol.14 スリランカ前編
人は彼のことを“旅人ゴルファー”と呼ぶ。川村昌弘・23歳。2012年のプロデビューから5年間で巡った国の数は20以上。活躍の場は日本だけでなく、ユーラシア大陸全土、そのまた海の向こうにも及ぶ。世界を旅することこそが、幼い頃からの夢だった。傍らにはキャディバッグと小さなスーツケース。ゴルフで旅する渡り鳥の経路を追っていこう。
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プロゴルファーの川村昌弘です。
いま僕は、コロンボにいます。
さあ、コロンボがどこにあるかご存知ですか? ここはインド洋に浮かぶ小さな島国・スリランカ。タイでのアジアンツアー「クイーンズカップ」を終え、バンコクから約3時間半のフライトを経て、人生で初めて同国を訪れました。
試合のない今週、旅のきっかけになったのは、「いつかは行ってみたい」と思っていたスリランカにあるゴルフ場でした。かつてイギリス領だった当地には、ロイヤルコロンボGCという130年の歴史を持つコースがあります。そんな願いをかなえるため、アジアで仲良くなったミスン・ペレラという選手にアプローチ。事前に思い切ってメッセージを送ったところ、快くOKをもらい、今回の案内役を買って出てくれたんです。
スリランカの首都はスリジャヤワルダナプラコッテですが、西海岸にあるコロンボが同国最大の都市。気候は最高としか言いようがありません。湿度も低くて気温は連日30℃に届かないくらい。日陰に行くと涼しく、夏の北海道のような心地です。これが一年を通してあまり変わらないというんですから。海沿いのリゾートは、とてもきれいでオーストラリアかと錯覚するような景色もありました。
さあ、お目当てのロイヤルコロンボGC。実はペレラ選手はここのヘッドプロで、スリランカでもっと有名なのは彼のお父さんなんです。ナンダセナ・ペレラ選手は同国プロゴルファーの草分け的存在。プロツアー転戦前の1990年にはアジア大会で銀メダルを獲得。当時、金メダルを手にしたのは丸山茂樹さんでした。
アジアで2番目に古いコースとして知られるこのゴルフ場は、伝統的な「曲げてはいけない」という、ショットの飛距離よりも正確性が求められるレイアウト。グリーンのメンテナンスが素晴らしかった。そして、プレー中にも場内を電車が通るんです。午前中に1番ホールのグリーンをプレーしていたところ、タイミングよく通過して撮影に成功! 次に通るのは夕方だとかで、本当にラッキーでした。
今回の旅は1回では収まりません(笑)。次回もスリランカからお伝えしますので、どうぞお付き合いください。
<今週のランチ>
ロイヤルコロンボGCのクラブハウスで食べたチキン・ビリヤーニ。カレーチャーハンのようなお米の上に、ローストした鶏肉が乗っています。白くて丸いのはゆで卵。690スリランカ・ルピー(約501円)でした。お隣インドの料理と違うのが、スリランカ料理は油が少なくとてもヘルシーだということ。辛さも控えめです。ここだけの話、ペレラもインドに行くとオイリーな食事でおなかを壊すことがあるそうです。