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2013年 フライズドットコムオープン
期間:10/10〜10/13 場所:コルデバレーGC(カリフォルニア州)

<佐渡充高の選手名鑑 95>デレク・アーンスト

松山英樹がいきなり米ツアー初優勝の可能性はいかに・・・?

米ツアー2014年シーズンが今週からいよいよ開幕する。会場はカリフォルニア州サンマーティン、コルドバレGCでサンフランシスコから南東の丘陵地帯に入ったところだ。霧が多いことでも知られ、1年中涼しく、この時期だと肌寒い日があるかもしれない。またカリフォルニアワインの産地で周囲には至るところにぶどう畑が広がり、街に出れば小さなブティックワイナリーと、ゴルフとワインを思いきり楽しめる地だ。

コースの全長は7,368ヤード、パー71。なだらかな起伏に加え、ウォーターハザードが10ホールにも絡んでいる。特にバックナインでは7ホールに池やクリークが、ホールを縦横に遮断するように巡っている。平均グリーン面積は、8.300スクエアフィートと、ツアー平均より2割ほど大きく、マウンドや段による、2面以上に分かれるマルチティアードグリーンが多く採用されている。ティショットでも、グリーンを狙うショットでもクオリティーが要求されるのがこのコースの特徴だ。

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いよいよメンバーとしてPGAツアー開幕に臨む松山英樹。「プレジデンツカップ」では初出場を果たし、両チームでただ一人の開催コース初挑戦にもかかわらず、その堂々としたプレーぶりは強烈なインパクトを与えた。世界ランクもフィールド1位の30位で開幕戦の優勝候補の筆頭だ。石川遼も9月の入れ替え戦で、3試合連続トップ10フィニッシュと好調に転じ、松山、石川の初優勝への期待が膨らむ。

■ 松山、石川のライバル候補に挙げられるのは“デレク・アーンスト

今大会の優勝候補の筆頭である松山のライバルは、デレク・アーンスト(23)が挙げられるだろう。昨シーズンは、ツアールーキーで1勝を挙げ、一躍注目の選手となった。ルーキー・オブ・ザ・イヤーはジョーダン・スピースにさらわれたものの、最後まで有力候補に挙げられた。

初優勝を飾ったのは今年5月の「ウェルズファーゴ選手権」。この勝利は彼のただならぬ強運ぶりを発揮してのことだった。出場の優先順位が低かったため、直前まで出場が決まらず、同週開催の下部ツアーに出場しようとジョージア州アトランタへレンタカーで移動していたアーンスト。すると、急きょPGAツアーへの繰り上げ出場決定の嬉しい知らせが届き、すぐにUターンして車を返却、飛行機でノースカロライナ州へと向かった。大会4日間は雨の中で行われ、スコアは伸びず我慢比べの様相を呈した。最終日はフィル・ミケルソンニック・ワトニーに2打差の位置で迎えたが、上位の選手はスコアを伸ばすことができず、粘りに粘ったアーンストと、イングランドのデビッド・リンが残った。両者の戦いはプレーオフまでもつれ、パーで粘りきったアーンストが勝利を掴み取った。幸運、好機を生かしきる、ツアー出場わずか9試合目での快挙だった。

■ Happy Go Lucky man 元気で朗らかなアーンスト

この初優勝で、翌週に行われた第5のメジャー「ザ・プレーヤーズ選手権」の出場権を獲得。波にのる彼に、私は開幕前日、会場のTPCソーグラスでインタビューを敢行した。幼少の頃にプラスティックの破片で右目を切り、その後遺症で今も見えにくいと聞いていたので、僕は勝手に寡黙な選手というイメージを抱いていた。しかし対面するやいなや、それは180度覆された。アーンストは底抜けに明るく、話が進行すると早口になり、テンションもグングン高まって、声が裏返るほど。インタビュー終了後に交わした握手も力強く、握った手を大きく上下に動かすと、彼の溢れるエネルギーが伝わってきて、私までハッピーな気持ちになった。

コーチでキャディのアーロン・テリー、恋人のアリソン・ロスが見守り、惜しみないサポートを受けていることも、彼の強運なところである。今年はアーンストの出身校、ネバダ大学の先輩アダム・スコットが「マスターズ」で優勝し、初のメジャータイトルを獲得した。これを見ていたアーンストは「これまでで最も強い刺激を受けた。スコットを目指して僕も頑張る!」と宣言。モチベーションの炎はますます燃え上がっている。

佐渡充高(さどみつたか)
ゴルフジャーナリスト。1957年生まれ。上智大学卒。大学時代はゴルフ部に所属しキャプテンを務める。3、4年生の時に太平洋クラブマスターズで当時4年連続賞金王に輝いたトム・ワトソンのキャディーを務める。東京中日スポーツ新聞社を経て85年に渡米、ニューヨークを拠点に世界のゴルフを取材。米国ゴルフ記者協会会員、ゴルフマガジン「世界トップ100コース」選考委員会国際評議委員。元世界ゴルフ殿堂選考委員。91年からNHK米ゴルフツアー放送ゴルフ解説者。現在は日本を拠点に世界のゴルフを取材、講演などに飛び回る。

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