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2013年 AT&Tペブルビーチナショナルプロアマ
期間:02/07〜02/10 場所:ペブルビーチGL他(カリフォルニア州)

<佐渡充高の選手名鑑 63>フィル・ミケルソン

■ ミケルソンはMr.ペブルビーチ

昨年の優勝を含め、ここペブルビーチGLで開催される「AT&Tペブルビーチナショナルプロアマ」4勝のフィル・ミケルソンは、まさにMr.ペブルビーチと言っていい。今大会最多優勝はマーク・オメーラの5勝(85、89、90、92、97年)でミケルソンはその記録にあと1勝(98、2005、07、12年)という実績を今大会で残している。ペブルビーチはミケルソンにとってはゆかりのあるコースでもある。91年アリゾナ州立大学3年生だったミケルソンは同州のツーソン郊外で開催された「ノーザンテレコム・オープン」でアマチュアとしてPGAツアー初優勝を飾った。直後にプロ転向するという周囲の予想に反して「学業第一。プロ転向は卒業してから」と宣言した。92年5月にプロ転向したミケルソンのプロ初メジャーが、ペブルビーチで開催された「全米オープン」だった。そして昨年プロ20年目、区切りの40勝目を挙げ、このコースで殿堂入りという名誉も授かった。ミケルソンにとっては節目を刻んできた最も得意なコースと言っていい。

■ ミケルソンのドラマティックな今大会4勝

今大会の勝ち方もドラマティックだ。98年に今大会初優勝。同コースの「全米オープン」で劇的優勝を遂げた経験を持つトム・ワトソンに競り勝ち、新旧交代劇を見せつけた。05年大会は荒天で54ホールに短縮。2位のマイク・ウィアに4打の大差をつけての優勝だった。07年大会はまさに圧倒的。メジャー大会優勝も成し遂げた貫録と余裕だろうか、2位ケビン・サザーランドに5打の大差をつけての快勝。優勝スコアの20アンダーは大会タイ記録となり現在も尚、破られていない。そして昨年はフィル・ミケルソンタイガー・ウッズの米国巨頭対決。特にウッズは自身の復帰を賭けた大一番だった。6番パー5でイーグルを決め、最初の6ホールで5ストロークも伸ばす快進撃。ウッズに付け入る隙を全く与えない鉄壁のゴルフで、その時の力の差を見せつけた衝撃的なプレーだった。

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■ 風邪のせいで今季は出遅れのミケルソン

今季のミケルソンはスタートからややつまずき、力を発揮できていない状態が続く。インフルエンザの悪影響で練習不足のまま初戦の「ヒュマナチャレンジ クリントンファウンデーション」で初戦を迎えた。大会初日も熱がありプレーに集中できる状態ではなかった。ところが圏外から予選通過を果たし、最終日は「66」の好スコアでプレーし、37位タイでフィニッシュはさすがだ。しかし、出遅れの影響は「ファーマーズ・インシュランスオープン」でも現れ、初日は自身が改造を手掛けたやさしい北コースでも、イーブンパーと出遅れる形となったが、前週の「ウェイストマネジメント フェニックスオープン」の大会タイ記録優勝で一切を払拭。ディフェンディングチャンピオンの今週も楽しみになった。

■ パットが活躍のカギを握る

ミケルソンが今、重きを置いているのがパッティングだ。年間を通して平均すると決して悪くはないが、良い時期と悪い時期の差が激しいのだ。本人が最も改善したい点は大事な場面でショートパットを時々外すことだ。それを回避するためにメンタルトレーニングを始め、100回連続でショートパットを沈めるなど、独自の練習方法を試みてきた。パターにも工夫を凝らし悪い兆しが見え始めた2011年9月からベリーパターを使用。しかし、ベリーパターはロングパットに難点ありと考え、昨年8月からクロウグリップに変更している。さらにパター自体も石川遼モデルをマイナーチェンジしたものに変えた。さらに上を目指すために、今年は白と黒のコントラストの効いた新パターに替えて登場。「構えやすいのでアドレスの際に方向性の心配がいらない。なのでストロークに集中できる」と話す。パッティングが安定してくればまたあの強いミケルソンが蘇る。

佐渡充高(さどみつたか)
ゴルフジャーナリスト。1957年生まれ。上智大学卒。大学時代はゴルフ部に所属しキャプテンを務める。3、4年生の時に太平洋クラブマスターズで当時4年連続賞金王に輝いたトム・ワトソンのキャディーを務める。東京中日スポーツ新聞社を経て85年に渡米、ニューヨークを拠点に世界のゴルフを取材。米国ゴルフ記者協会会員、ゴルフマガジン「世界トップ100コース」選考委員会国際評議委員。元世界ゴルフ殿堂選考委員。91年からNHK米ゴルフツアー放送ゴルフ解説者。現在は日本を拠点に世界のゴルフを取材、講演などに飛び回る。

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