2013年 ヒュンダイトーナメント・オブ・チャンピオンズ

<佐渡充高の選手名鑑 58>石川遼

2013/01/02 10:00
2012年の「プエルトリコオープン」では、ツアー初勝利に僅か届かず単独2位に終わった石川遼だが、確固たる戦績を残した※写真は2012「プエルトリコオープン」最終日

いよいよ今週から2013年シーズンがスタートします。今シーズンは、日本の石川遼選手も出場権を獲得し、新たな盛り上がりを期待せずにはいられません。今年はそのPGAツアーで活躍する選手を中心に紹介するにあたり、2013年の第1回目では、同ツアーの新しい仕組みについて触れておくことにしましょう。

■ 来年から秋開催

USPGAツアーは今年から大きく変貌する。まず大きな変更はスケジュールだ。今季は今週の「ヒュンダイトーナメント・オブ・チャンピオンズ」が開幕。昨年同様ハワイ州カパルア、プランテーションコースで開催される。その後カリフォルニア州、3月からはフロリダ州、4月から8月までは東海岸や内陸部を転戦し、8月のノースカロライナ州で開催のウィンダム選手権がレギュラーシーズンの最終戦となる。その後プレーオフシリーズが4試合行われ今季は終了する。今季は昨年まで行われていたフォールシリーズが無くなり2か月ほど短いシーズンとなる。だが、10月からは2014年シーズンが開幕、翌9月まで1年間フルシーズンで試合が開催される。以降は年をまたいで1シーズンが開催されることになり、長いシーズンの始まりとなる。

■ 翌年のシード権はフェデックスカップポイントランク125位

システム的には翌年のシード権の在り方も変わる。レギュラーシーズンのフェデックスカップポイントランク上位125位までの選手が、翌年のシード権と9月に行われるプレーオフシリーズの出場権を獲得する。プレーオフシリーズは生き残り戦で、2戦目は100人、3戦目は70人、最終のツアー選手権には上位30人までに絞られる。

■ QT廃止で外国人選手の出場権獲得が困難に

翌年の出場権獲得に関しても大きく変更された。PGAツアーでは翌年の出場権獲得のためのクオリファイング・トーナメント(QT)を毎年開催していたが今年からそのQTが廃止される※後述に詳細。その代わり、翌年の出場資格を争う試合(ウェブドットコムツアーファイナル)を4戦開催し、その合計賞金の上位50人が翌年の出場権を獲得できる。この4試合に参加できるのはPGAツアーのレギュラーシーズンを終えた段階でのポイントランク126位から200位までの選手と、ウェブドットコムツアーの賞金ランク上位75人の計150人となる。実績、性別、国籍を問わず誰でも挑戦できたQTが無くなったために基本的にPGA、ウェブドットコムツアー以外の選手が、翌年の出場権を得ることができなくなった。ここで上位50人がPGAツアーの出場権と言ったが、ウェブドットコムツアーの上位25人は、その時点で翌年のPGAツアーの出場権を獲得できるので、実質的には彼ら以外の25人が4試合の賞金ランクで翌年の出場権を得ることになる。

■ 日本人選手が米ツアー挑戦するには

今年は石川遼がシード選手としてフル参戦する。目標は翌年のシード権獲得、初優勝となるだろう。日本でも2年ぶりに優勝を成し遂げ、米ツアーでは昨年「プエルトリコオープン」で2位の自己ベストを記録するなど期待がかかる。だが、もし125位に入れなくとも、翌年のウェブドットコムツアーファイナルの参加資格は有するので次のチャンスがある点は大きい。また新たに米ツアー参戦したい選手はまずウェブドットコムツアーのQTに合格し、同ツアーでランク75位以内に入ればウェブドットコムツアーファイナルの出場権を得られる。つまり、JGTOのメンバーが米ツアーに挑戦しようとすれば、日本を諦めて米国に専念する1年間を覚悟しなければならないのだ。

2013年 ヒュンダイトーナメント・オブ・チャンピオンズ