スコッティキャメロン「スタジオスタイルパター」の2025年モデル発表
「スタジオスタイル」はスコッティキャメロンにおいて、長年、繰り返しリリースされてきたおなじみのパターシリーズ。2025年の新たな12モデルには大幅な変更が加えられ、音、打感、パフォーマンスを向上させるべく同社が「ゼロベースで取り組んだ」という再設計が施されている。
今年の出発点はフェースにある。スコッティキャメロンの元祖GSS(ジャーマンステンレス鋼)インサートのスタジオスタイルシリーズのリリース20周年にあたり、完全新設計のスタジオカーボン鋼(SCS)製フェースインサートを装着し、独自のチェーンリンクフェースミリングテクノロジーが採用されている。
カーボンはスコッティキャメロンにとっておなじみの素材で、ジョーダン・スピースの使用する「009プロトタイプパター」などに使われ、ソフトな打感と抑制された打音で知られている。カーボンの典型的な欠点は、スチールより早く腐食してしまう点にあるが、フェースインサートに「無電解ニッケルメッキ」プロセスを使用することで、耐久性の強化に成功した。
カーボンフェースインサートは、ネジ留めでヘッドの303ステンレス鋼ボディに結合しており、航空宇宙の分野にインスピレーションを受けた振動抑制技術が音と打感を向上させた。さらに打感を良くするため、第2の抑制化合物が外周を包み込んでいる。
このインサートの利点は打感と打音の向上だけでなく、チェーンリンク設計は好ましい転がりの特性とスピードのコントロールももたらすという。
同社創設者で主任クラフトマンのスコッティ・キャメロン氏は「新しいスタジオスタイルパターには、我々のここ何年かのブレードシリーズで最も大幅な再設計が施されています。名称は先祖返りしていますが、テクノロジー、デザイン、製造手法はモダンで完全に新しいもの。卓越した打感と一貫性のあるパフォーマンスを生み出すべく設計された新しいスタジオカーボン鋼のインサートは、全てのパットで自信を感じさせる転がりを生むべく、よりソフトな音を確約します。チェーンリンクのフェースミリングは、新たなレベルの打感、あらゆるパットで自信を感じさせる転がりのパフォーマンス向上に貢献します」と語っている。
「また、新たにハイコントラストアライメントを採用して、ミッドマレット型を完全に再設計し、新しいハイパフォーマンスオプションにより、ブレードとマレット、両方のユーザーに安定性をもたらしました」
スタジオスタイルは、ニューポート、ニューポートプラス、ニューポート2、ニューポート2プラス、ニューポート2.5プラス、スクエアバック、スクエアバック2、スクエアバック2ロングデザイン、ファストバック、ファストバックロングデザイン、ファストバック1.5、カタリナの12モデル。ニューポート2、ニューポート2.5プラス、ファストバック1.5、カタリナには左利き用がある。今回の新しいラインアップには、ツアー選手のフィードバックが適用されている。
パター研究開発部門のシニアディレクター、オースティ・ロリンソン氏は「我々のチームはツアーのインプットを元に休むことなく働き、スタジオカーボン鋼を開発するなかで、音と打感をチューニングする独自の方法を発展させました。これには、トレリウム、ステンレス鋼、そしてアルミより優れた抑制能力が備わっています。チェーンリンクフェースミリングと呼ばれる削り出しのテクスチャーを施すことで、打音をさらにソフトにできました。新しいテクノロジーとアライメントの手法を駆使して、最高の打感を実現しつつパフォーマンスを強化するために設計された、次世代のブレードおよびミッドマレット型パターシリーズを世に送り出したのです」と語る。
これまでのスコッティキャメロンによる設計やリリースと比較して、最もドラスティックなビジュアル変更が加えられたのは、ファストバックとスクエアバックのヘッド。両モデルとも、新しいハイコントラストかつ複合素材のアライメントシステムが搭載され、プレーヤーはアドレスからストローク全体にかけてスクエアフェースを維持できるようになっている。これらのヘッドは303ステンレス鋼と6061航空機用アルミニウムで精巧に作られた上で、カーボンチェーンリンクフェースインサートが装着されている。
また両モデルには、ヘッドの寛容性を引き上げるため、新たに「リングウェイト」設計が採用された。
ここ3年間、ストロークゲインド:パッティングでトップ5にランクインしてきたデニー・マッカーシーは、2025年最初の大会となった「ソニーオープンinハワイ」で新しいファストバックモデルを使用して話題となった。マッカーシーはキャリアの大半を通じて、スコッティキャメロン ゴロパターを使用してきただけに、別モデルへの乗り換えは驚きだった。
スコッティキャメロンのツアーレップであるドリュー・ペイジ氏によると、マッカーシーは12月に新モデルのテストを開始し、ソフトな打感がこれまで使用していたゴロパターに匹敵すると気づいたという。また、プランバーネックホーゼルが搭載されているため、アドレスで両手の位置が高くなったと説明した。
2025年モデルの新スタジオスタイルパターは、全モデルがサテンミスト仕上げで、新機軸のチェーンリンクミルドフェースインサートに合わせてチェーンリンクのテクスチャーが施された「フルコンタクトスリム」グリップが装着されている。スコッティキャメロンのトレードマークであるチェリーレッドの3ドットデザインとなっているのは、言うまでもない。
(協力/ GolfWRX, PGATOUR.com)