ルドビグ・オーベリがタイトリストGT2ドライバーを手にツアー復帰
25歳のルドビグ・オーベリ(スウェーデン)は瞬く間に、世界最高のドライバーの使い手の一人としての地位を確立した。そんな彼が新ドライバーを手にPGAツアーに戻って来る。
オーベリは膝の手術からの復帰戦となる今週の「ザ・RMSクラシック」で、タイトル防衛に挑む。クラブ変更に慎重な彼は離脱期間に、今年リリースされたタイトリストのGT2ドライバーをテストし、今週、バッグに入れることを決めた。
シュアフィットホーゼルがD4の位置にセットされ、ロフト角9度。シャフトは、藤倉コンポジット ベンタスブラック6X。
昨年大会は週末に「61」を続けて通算29アンダー、72ホールのツアー最少ストロークタイ「253」(2017年ソニーオープンでジャスティン・トーマスが記録)で制覇した。プロとして初めてフルシーズンに挑んだ今年は「マスターズ」「AT&T ペブルビーチプロアマ」「BMW選手権」で2位となり、フェデックスカップランキング16位でフィニッシュ。世界ランキングは5位。しかし、9月に損傷した左膝半月板の手術を受けたため、8月「ツアー選手権」を最後に競技から遠ざかっていた。
オーベリは「ザ・RMSクラシック」開幕前の火曜日に「何週間か休みがあったので、練習やトレーニングにもっと(GT2を)取り入れてもいいのでは、と感じました。練習場では問題なくてもコースでどうなるか、少しトウやヒール側で当てるとどうなるかを見てみたかった。この数週間はそれに打ってつけでした」と語った。
PGAツアー大学ランキング1位の選手として23年に同ツアーデビューを果たして以来、ロフト角9度のタイトリストTSR2ドライバー(同じくD4設定)を使用してきた。彼は今季のトータルドライビングで3位、そしてストロークゲインド:オフ・ザ・ティで12位にランクインしている。
「TSR2を使用していた彼は、プロトタイプ期にGT2、GT3、そしてGT4をテストしました。ルドビグは寛容性を好む選手です。素晴らしいボール初速の持ち主ですが、抜群のアイアンプレーヤーでもあるので、インプレーに留めることに心血を注いでいます」と語るのは、タイトリストでプレーヤープロモーションを統括するJJ・ヴァンウェゼンベック氏だ。
「GT2は彼にとって、打ち出し角やスピン量がドンピシャな上、寛容性もあるのでパワフルな武器になります。彼には他の選手と異なる点があります。実は、ロフト角を増やしていて、そのためスピン量が上がっています。彼はボールをインプレーに留めるため、ミスをするならスピン量の多くなるミスを望んでいます。そうなれば、得意のアイアンを活かせますから」
これこそが、オーベリがタイトリストの新GTシリーズの中で最も一般的ゴルファーに適したモデルのドライバーを使用する理由である。タイトリストはGT2を「常にフェースの芯を捉えるわけではなく、スピードを犠牲にせず高慣性モーメントの安定性を必要する人向け」とうたっている。
彼は弾道の高い選手で、今季は最高点の高さ(125フィート8インチ)で2位にランクインしているが、スピン量(47位:2,713 rpm)と打ち出し角(39位:11.3度)は平均をやや上回る位置につけている。
ヴァンウェゼンベック氏によると、オーベリは約1年前にGTの終期プロトタイプを試し、研究開発チームに、その後の最終的な設計に影響を与えるフィードバックを提供している。「我々は、彼から“もう少しスピン量が欲しい”というフィードバックを受け、打ち出し角と弾道が少し高めでコントロールが効いて、彼の好む弾道の打ちやすい、彼のためのドライバーを作り上げるような感じになりました」
PGAツアーに復帰するオーベリのティショットは、さらに良くなっているかもしれない。
(協力/ GolfWRX, PGATOUR.com)