ルドビグ・オーベリはなぜ22本のクラブで転戦するのか
◇米国男子ツアー◇ジョンディアクラシック 事前情報◇TPCディアラン(イリノイ州)◇7268yd(パー71)
PGAツアーでは毎週異なるコースと天候でのプレーを余儀なくされるため、多くの選手がその変化に対応すべくクラブを余分に持って転戦している。テキサス工科大を卒業したばかりのルドビグ・オーベリ(スウェーデン)はまだ23歳のルーキーながら、すでにクラブのセットアップをローテーションすることに順応している。最近撮影された「バッグの中身は?」という動画のなかで、22本のクラブを携えて転戦していると語っている。
オーベリはまず、どのロブウェッジを使うかを決める。ローバウンスのTグラインド、ミッドバウンスのMグラインド、ハイバウンスのVグラインドという、3本のタイトリスト ボーケイの60度ウェッジを持ち歩いているからだ。
「下が硬いほど、バウンスは少なめの方が好みです。柔らかい場合は、少し多めのバウンスが必要になるし、そのコースのバンカー次第でもあります。中でも主力は60-Vで、このソールが気に入っています。60-08Mに似ているので、大体はこの2本のどちらかを使っています。時として、Tを使う場合もあります。今はバッグに入っていませんが、これは若干リーディングエッジが鋭く、より刺さり易くなっています」
ロブウェッジは4、5週間おきに新しいものに変える。
「言うまでもなく、60度は一番使い回数が多いクラブです。数多くチッピングをするんで、同じモデルの新品を使う必要があります。高さも必要だし、ツアーの硬いグリーンにはスピンも必要なので。だから最も頻繁に交換するし、4、5週間おきに変えています」
もう一つ、オーベリは“上の方の番手”でクラブの入れ替えを行う。タイトリストTSR3 19度ハイブリッド、タイトリストT-MB 718 2番アイアン、タイトリストT100 3番アイアンを持っていて、何を使うか? 彼が言うには、2番アイアンとハイブリッドの飛距離は約257ヤードと同じだが、ハイブリッドは2番アイアンより高さが出て、グリーンで止めやすい。
「異なるコースでプレーする上で、このオプションがあると重宝します。グリーンが硬くなった際、高さが必要となる場合がありますが、コースによっては、高さを必要としないところもあります。とにかくインプレーに留めることが求められるコースもあります」。例えば、40位タイになった先週の「ロケットモーゲージクラシック」では、ハイブリッドや2番アイアンほど飛距離は出ないものの、コントロールと高さに秀でた3番アイアンを使用している。
こうして書いていくと、オーベリは常にクラブを微調整する選手のように思えるかもしれないが、実は核となるクラブはあまり頻繁に変更しない。アイアンはいまだに2019年モデルのタイトリストT100だし、パターに至っては2015年モデルのオデッセイ ワークス バーサ パターを使っている。
「とてもシンプルなことで、僕は多くを変えるのが好きではないんです。今後も、バッグの中身をそこまで変えることはないと思います。ただ、時として変えることが必要な場合もあります。少し力が強くなった、あるいは異なる弾道を必要とするようになったとか。理由は様々ですけどね」。この点に関して言えば約3カ月前に、ドライバーのシャフトを5年間使用した物から、藤倉コンポジット ベンタスTRブラック6Xに変更した。
これまでのところ、彼の取り組みはうまく機能している。プロとして出場したPGAツアー3大会で25位タイ、24位タイ、40位タイ。直近の「ロケットモーゲージ」ではドライバーショットで平均323.8ydを記録し、ドライビングディスタンス2位と飛ばし屋ぶりを発揮した。そう、この若者は半端ないスピードの持ち主なのである。
<ルドビグ・オーベリのクラブ>
ドライバー:タイトリストTSR2(9度)
シャフト:藤倉コンポジット ベンタスTRブラック6X
3番ウッド:テーラーメイド ステルス2(15度)
シャフト:藤倉コンポジット ベンタスTRブルー
ハイブリッド:タイトリストTSR3(19度)
シャフト:グラファイトデザイン ツアーAD-DI 95ハイブリッドXフレックス
アイアン:タイトリストT-MB 718(2番)、タイトリストT100(3番~PW)
ウェッジ:タイトリスト ボーケイSM9(50度、54度、60度)
パター: オデッセイ ワークス バーサ#1
ボール:タイトリスト プロV1x
(協力/ GolfWRX, PGATOUR.com)