ロフトのある見た目は嫌い マキロイが1Wシャフトを変更した経緯
「プレーヤーズ選手権」で予選落ちを喫したロリー・マキロイ(北アイルランド)はテキサス州オースティンで開催される「WGCデルテクノロジーズマッチプレー」を前に、使用ギアのセットアップにいくつかの大きな変更を施した。
オースティンGCでの火曜の練習ラウンドにおいて、彼のバッグには新しいパター、フェアウェイウッド、ウェッジが収まっていた。また、ステルス2ドライバーにこれまでとは異なる藤倉コンポジット VENTUS TR BLUE (6X)を装着している。マキロイはこの変更の狙いについて、短くした44インチのドライバーでスピン量を増やすことにあると語った。
最近、彼が用具変更に踏み切ったのはこれが初めてではない。2月の「ジェネシス招待」では、大会期間中にドライバーを新しいテーラーメイド ステルス2プラスに変更している。この新ドライバーはそれまで使用していたステルスドライバーに比べ、若干スピン量が増し、アドレスでの見た目がよりスクエアになった。彼によると、新しいドライバーはボール初速と飛距離も向上している。
しかしながら、2週間前のTPCソーグラスでのラウンド後のインタビューで、マキロイは自身のドライバーの状態への不満を漏らしている。2019年に制覇した「プレーヤーズ選手権」だが、初日からの2ラウンドを「76」「73」として予選落ちを喫した。
「もちろん僕はベストを尽くしているし、昨年の状態に近づけようと試みているんだ」と、昨季ドライビングディスタンス(平均飛距離)でツアーのトップに君臨したマキロイは述べた。「ここ数週間は、ティショットで少し苦しんでいるね。これ(ドライバー)は、今までとほとんど変わりないんだ。明らかに、ユーザーの方にも問題の一端があるね。使い手によるミスが頻出していたから」
短尺シャフトは標準的な長さのシャフトに比べて若干硬くなることから、マキロイはこれまで使用していたシャフトである藤倉コンポジット VENTUS BLACK(6X)では、十分なスピン量を得られなくなった。単純にヘッドのロフトを増してスピン量を稼ぐという手段もあるが、ロフトがあり過ぎるドライバーの見た目が好きではないと言った。
マキロイはGoldWRX.comに対し、「プレーヤーズ選手権」で自身の使用するテーラーメイド ステルス2プラスの3番ウッドのシャフトを藤倉コンポジット VENTUS TR BLUEに変更したのだが、これが同じシャフトをドライバーでも試してみようと思うきっかけになったと明かした。
「これが良いんだ。少し弾きのある感触がするんだ」とマキロイ。「最近は短いドライバーでプレーするのが好きなんだけど、そうなると、あのブラックシャフトはちょっと硬かった。(TR BLUEにも)安定した感触があるんだ。僕はロフトのある見た目が好きではないので、ドライバーのロフトを増やすという選択肢はなかった。どこか別のところで、スピン量を稼がなければならなかったんだ」
ウッドといえば、マキロイは今週から新しい5番ウッドをバッグに入れている。彼は今、藤倉コンポジット VENTUS BLACK(9X)の装着されたステルス2プラスの5番ウッドを使用している。テーラーメイドによると、このクラブの打ち出し特性とスピン特性は、これまで彼の使用してきたクラブと類似しているものの、弾道がより真っすぐになり、曲がり幅が少なくなったという。
また、GolfWRXは58度のタイトリスト ボーケイウェッジに加え、彼がテーラーメイド ミルドグラインド 3 ウェッジ(メッキなし、54度)を使用しているところを目撃した。練習ラウンドでは、新しいカスタムパターで、黒いスチールシャフトの装着されたスコッテキャメロン ツアーオンリー009-Mパターを使用した。
彼がスコッテキャメロンのブレードパターに乗り換えるのは、初めてのことではない。キャリアを通じて何度かそれを敢行してきたし、最新では2021年の東京五輪で使用しているが、近年、彼のバッグに最も長い時間入っていたのは、マレット型のテーラーメイド スパイダーハイドロブラストパターだった。しかし、マキロイは今季のストロークゲインド・パッティングを173位としている。彼はこの乗り換えにより、「昔の感覚をよみがえらせようとしている」と述べた。
(協力/ GolfWRX, PGATOUR.com)