リッキー・ファウラー 信頼のパターはウッズ用取り置きのヘッド
リッキー・ファウラーは今シーズンだけで何本ものパターを実戦投入している。昨シーズン、GolfWRXがファウラーのバッグの中で発見したパターのセレクションを見てもわかる通り、いろいろな種類のパターを試している。
6月の「トラベラーズ選手権」で、ファウラーは娘の誕生日を祝って特別仕様のソールプレートが装着されたコブラ キングスティングレイ20プロトタイプパターを初めて実戦使用した。3Dプリンターで彼の好みに合うよう製作されたが、長続きはしなかった。
迷ったら過去に成功したものに戻ればいい。ファウラーは正にそれを実行した。
その次の試合となった「ジェネシス スコットランドオープン」で、過去8年間で折に触れて使用してきたスコッティキャメロン ニューポート2 GSS(ジャーマンステンレススチール)プロトタイプを復帰させた。
そして、前週の「ロケットモーゲージクラシック」でもそれを使用。大会開幕前日にGolfWRXに対して「成り行きに任せて(これまでのパターを)ひとしきり試したところで、信頼する1本に戻すことにした」と述べていた。「というのも、僕はキャリア全体を通じてそういうことをやっていて、これまで、短期間、何かを使うと、また別の何かに戻すという具合に変更してきたんだ」
「“彼女”には少し休養期間が必要だったかもしれないけれど、これからヒートアップしてくれればと思っている」
同大会で予選落ちを喫したファウラーはフェデックスカップポイントランク133位。今週のシーズン最終戦「ウィンダム選手権」でプレーオフシリーズ進出圏内の125位入りを目指す。
PGATOUR.comが2015年に掲載した記事によると、ファウラーのパターヘッドは、かつてタイガー・ウッズのために取り置きされていたGSSパターの箱から取り出されたものだという。しかし、ファウラーの使うパターは、ウッズのそれとは若干異なっており、ネック位置、バンパーの半径、そしてよりシャローな見た目にするためフェースの奥行きに微妙な調整が施されている。
このパターは、ウッズ専用の特別な箱から取り出された直後ほど新品のような見た目はしていないが、10年近く使用されれば、それも致し方ないことではある。バックキャビティに残る刻印の白いペイントも踊っている字の“R”だけになってしまったが、これは完全に意図的なものであるとも考えられる。
また、クラブフェースの真芯には小さい摩耗痕が見られるが、これを高品質のジャーマンステンレス鋼に付けるのは容易ではない。これは何年もかけて、同じ位置でコンタクトしなければ達成できないことである。
(協力/GolfWRX、PGATOUR.com)