2021年 ザ・CJカップ

ロリー・マキロイはなぜスパイダーパターに回帰したのか

2021/10/26 11:00
米ツアー20勝目に貢献したマキロイのパター(Christian Petersen/Getty Images)

2週前の「ザ・CJカップ」でツアー通算20勝目を飾ったロリー・マキロイ(北アイルランド)。慣れ親しんだパターであるテーラーメイド スパイダーXハイドロブラストに戻したことが功を奏した。同大会において、マキロイはパッティングのストロークゲインドでフィールド最高の+6.02をマーク。くだんのパターがマキロイに今年2勝目を呼び込む重要な役割を果たした。

マキロイのパター(提供:GolfWRX)

マキロイは東京五輪でこのマレット型パターを控えに回し、若かりし頃に感じていた自由を取り戻せるという理由から、ブレード型のスコッティキャメロン009Mパターでプレーした。五輪では銅メダルをかけた7人によるプレーオフに残るも、プレーオフ3ホール目で脱落し、4位で大会を終えた。

マキロイは「BMW選手権」でパターをスパイダーに戻したのだが、つかの間の“別居”を経て、良い関係を築いているように見えた。このマレット型パターに戻してからの3大会全てで、グリーンでのストロークを稼いでいるのである。

別角度から見たマキロイのパター(提供:GolfWRX)

「ロリーがスパイダーXに戻した最大の理由は、単純に一貫性なのです」と、テーラーメイドでツアーのシニアマネジャーを務めるエイドリアン・リートベルドは述べた。「彼はブレードよりもスパイダーの方が、週ごとにより高い一貫性が得られるのです」

リートベルドによると、テストにおいてマキロイはスパイダーを使用すると、ショートパットのパフォーマンスが向上したという。

「ここ数カ月、スパイダーにしてから、彼の数字、特に6フィート(約1.8m)以内(の精度)が顕著に良くなりました」とリートベルド。「スパイダーの技術的な特徴により、彼は簡単にパットをラインに乗せることができるようになり、これが『CJカップ』であのパッティングのストロークゲインドをたたき出した大きな要因となりました」

理論的に、大型で視覚的な補助のあるマレット型パターの方が、セットアップの再現性が高く、スクエアにセットアップしやすい。これは、クラブフィッターがアマチュアやハンディキャップの高いゴルファーに、ブレード型でないパターを勧める理由のひとつとなっている。これに加え、スパイダー型のパターはブレード型よりも寛容性が高く、ブレード型や中型マレットよりも慣性モーメントが高いことから、不完全なストロークでもよりスクエアに保たれるのである。

マキロイのパターシャフト(提供:GolfWRX)

<マキロイのパター仕様>

パター: テーラーメイド スパイダーXハイドロブラスト
サイトライン: フルサイトライン
ロフト: 2.5度
ライ角: 71度
長さ: 34.5インチ
スイングウェート: E4
ネック: ショートスラント
インサート: ピュアロール 80-20
グリップ: スーパーストローク ピストルGTツアー
シャフト: KBS CTツアー(ブラック)

(協力/GolfWRX、PGATOUR.com)

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