2021年 東京五輪

パターを替えていたジャスティン・トーマス

2021/08/09 13:30
ラインを読むジャスティン・トーマス(写真は東京五輪 Chris Trotman/Getty Images)

7月のメジャー「全英オープン」前の大きな変更がジャスティン・トーマスに成功をもたらした。トーマスはキャリアを通じて、リンクスコースに手を焼いてきたが、メジャー直前の「スコットランドオープン」で8位。3月「ザ・プレーヤーズ選手権」を制覇して以来となるトップ10入りを果たした。

「スコットランドオープン」で彼はパターをそれまでのスコッティキャメロン ファントムX5.5から、メーカーが“ナックルネック”と名付けたネックが特徴の新しいスコッティキャメロン ファントムX5ツアー プロトタイプに変更した。

このパターの変更は、今季パッティングのストロークゲインドが107位に沈んでいるトーマスが、グリーン上で不安定なプレーを続けたことによる上での動きだった。実際のところ、トーマスは過去3年にわたって、同カテゴリーでトップ100圏外にランクされている。

この新しいパターはスコッティキャメロンパタースタジオ(カリフォルニア州)への訪問を経て実戦投入されている。これは以前彼が使用していたフューチュラX5モデルのヘッドに類似した形状のファントムX5.5に、スコッティキャメロン ニューポート2のナックルネックに似たプロトタイプを合わせたものだ。

ナックルネックとはスコッティキャメロン版の伝統的プランバーネックデザインに相当する。一般的なゴルファーが見慣れているプランバーネックに比べ、ナックルネックは湾曲しているが、同時にアライメントをやりやすくするため、シャフト1本分の幅のオフセットが施されている。

スコッティキャメロンのツアーレップであるドリュー・ペイジ氏によると、ネックの長さを調節することにより、トーマスは新しいパターでよりストロークパターンに一貫性が出たとのことである。

「JT(ジャスティン・トーマス)は過去5年間にわたり、フューチュラX5.5で素晴らしい成功を収めてきましたが、彼は最近、少し見た目の違う物を試してみようと考えていました」とペイジ。

「我々は彼の好むファントムX5のヘッド形状に、彼が過去に使い慣れていたニューポート2のネックを合わせました。彼は何通りかネックの長さの違う物を試し、一定したストロークパターンをもたらしつつ、見た目が若干異なりながらも打感が使い慣れた物と同じセットアップにたどり着くことができたのです」

キャリア序盤でブレードタイプのパターを使用していたトーマスは、近年はウィングバック形状で高慣性モーメントのファントムXデザインに、一般的にはブレードデザインで使用されるアーク状のパッティングストローク向きの小型スラントネックを組み合わせたパターを使用してきた。

新しいナックルネックのファントムX5.5は、これまでの彼の実戦使用モデルと比べ、トゥハングが若干抑えられており、パットが良かったスコットランドではこれがうまく機能してトップ10入りを果たした。

参考のため説明すると、トゥハングとは、トゥウェート、あるいはトゥバランスのパターを意味する。よりトゥハングのパターは、アーク状のストロークに適しており、一方でフェースバランスのパターは、ストレートに引き、ストレートにストロークする動きに適している。

(協力/ GolfWRX、PGATOUR.com)

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