米国男子ツアー

オリンピアフィールズで開催された2003年「全米オープン」で優勝 ジム・フューリック使用ギア

2020/09/01 09:15
優勝した2003年オリンピアフィールズでのフューリック (Craig Jones/Getty Images)

ジム・フューリックはいつだって腕力ではなく知力に頼ってきた。一度も平均飛距離でトップ100入りしたことはないが、ウッドとアイアンの両方がずば抜けて精度の高い純粋な戦略家である。

ペンシルベニア生まれのフューリックのバッグの中身は、ボール初速や飛距離ではなく、スピンや精度を重視した内容となってきた。端的に言えば、ゲーリー・ウッドランドではなく、ベルンハルト・ランガーのような選手なのである。

「BMW選手権」でPGAツアーの舞台となったオリンピアフィールズは、2003年「全米オープン」でフューリックがついにメジャー初優勝を果たしたコースである。フューリックにとっては初にして唯一のメジャー制覇となった。彼には「最高の選手はメジャーに勝てない」という、あまり有り難くないレッテルが貼られていたが、通算8アンダーで、2位に入ったスティーブン・リーニー(オーストラリア)に3打差をつけ、そのレッテルを剥がしたのである。

当時もフューリックのバッグは、ゴルフコースで正確にボールを運ぶことに重点を置いて構成されていた。彼は珍しい5番ウッドや4本ウェッジの使い手であり、4番アイアンの入っていない独特のアイアンセットを使用していた。

フューリックのバッグ内における飛距離の段階づくりは常に同じに保たれており、そのセットはかなり細かい数字を打ち分け、狙った打ち出し角でボールを飛ばすためにデザインされているのである。

では、2003年当時のバッグの中身を振り返ってみよう。

ドライバー: タイトリスト983K(8.5度)
シャフト: UST プロフォースゴールド 65X

3番ウッド: テーラーメイド200(15度)
シャフト: ハリソン プロ2.5 7X

5番ウッド: オリマー トライメタル(19度)
シャフト: アパッチ 80X

アイアン: ホーガン エイペックスプラス フォージドキャビティ(3番、5番?PW)
シャフト: アポロハンプ S

ウェッジ: タイトリスト ボーケイ(250-08@51度、256-14@55度)、ホーガン コロニアル プロトタイプ(60度)
シャフト: トゥルーテンパー ダイナミックゴールド S400

パター: ベン・ホーガン by ベッティナルディ “ビッグベン”

ボール: トップフライト ストラタツアーエース

(協力/ GolfWRX、PGATOUR.com)