ニュース

米国男子全米プロゴルフ選手権の最新ゴルフニュースをお届け

ゴミ箱からバッグへ シュワルツェルのパターの裏話

シャール・シュワルツェルがここ18カ月で使用し、7月「3Mオープン」での3位タイフィニッシュを手助けした、一風変わった見た目のバックシャフトパターはもともと、アリゾナ州スコッツデールにあるPXG本社のゴミ箱から回収されたものだった。

パターの外見に関する美的感覚にもよるが、人によっては冷笑するかもしれない。しかし、この南アフリカ人選手はPGAツアーで、2年以上にわたって出せていなかった好成績を残し、彼がこのパターでフィールドに対して1ストローク近くの差をつけた(ストローク・ゲインド・パッティング)。その事実を前にすると、このパターの科学、そしてなぜシュワルツェルにとってそれほど効果的であったかということに興味をそそられることになるだろう。

<< 下に続く >>

まずは誕生の背景である。

PXGの広報担当によると、このパターは製品化されることのなかった初期型プロトタイプだったとのこと。実のところ、同社はシュワルツェルがPXGのエンジニアとの打ち合わせで本社を訪れる前に、このデザインを葬っていた。

「もともと、シャールはアームロック式パターのテストに興味を示していたのです」とPXG広報担当者は述べた。「従来型のアームロックデザインを試打した後、シャールはシャフトがより前方へ傾いていながら、彼が常に置いている前方のボール位置を維持できるタイプを探していると説明しました。これは、従来型のヘッド設計では実現できませんでした」。

「諸々の必要条件を考え、我々はバックシャフト型のデザインをゴミ箱から出してきたのです。ゴミ箱へ放り込まれたことで、凹みや傷がたくさんついていました。ところがパターを組み上げると、シャールは即座に、これはかなり自然にフィットすると感じ取りました」

シュワルツェルによるパッティング改造の模索には、分析学が一役買ったようである。2010年の彼のパッティングのストローク・ゲインドの平均は「+0.899」だった。彼はその年、PGAツアーでは11大会しか出場せず、36ラウンドのみのプレーだったため、各スタッツが公式記録として認められる必要最低ラウンド数に達していなかった。仮に彼が達していたとしたら、彼はその年、パッティングのストローク・ゲインドで、公式記録で1位だったルーク・ドナルド(平均+0.874)を抜いてナンバーワンとなっていた。

その翌シーズン、シュワルツェルは「マスターズ」を制覇した。しかし、それ以降、彼のパッティングの成績は下降し始めた。2013年、シュワルツェルのパッティングのストローク・ゲインドのランキングは43位だった。2014年は86位タイ。2015年は169位。そして2016年は124位だった。2017年と2018年は同ランキングをトップ100圏内に戻すも、彼は満足していなかった。

しかし、2019年の「プエルトリコオープン」直前にPXGのゴミ箱にあったパターをバッグに入れると、効果はてきめん。シュワルツェルはその大会で6位タイに入り、予選落ちと棄権が4大会続いた流れを断ち切ったのである。

2カ月後、彼は手首の怪我により、残りの2019年シーズンからの戦線離脱を強いられた。しかし、復帰を遂げてからは、37インチのマレット型パターとともに今週の「全米プロゴルフ選手権」で、存在感を示そうとしている。今季、彼はパッティングのストローク・ゲインドを「+0.398」とし、ツアーでのランキングを37位としている。
では、このパターの背後にある科学とは?

「シャフト位置が重心の後方になっているので、ゴルファーはバックストロークでヘッドを“押す”のではなく、“引く”ことになります」とPXGの広報担当者。「元々のコンセプトは、ヘッドを引く方が、始動でヘッドを安定してラインに乗せやすくなるというものでした。この構成により、シャフトが大幅に前方へ傾く一方で、ボール位置をプレーヤーのスタンスのより前方へ配するという、シャールが具体的に求めていた2つの要素を満たすことになりました」

「アームロック式のパッティングでは人間工学が重要な役割を担っており、このパターはシャールのスタンスに対し、より自然にフィットしました」。

PXGによると、このパターは通常より多少長いものの、ヘッド重量への反作用としてのカウンターバランスにはなっていないとのこと。

「実際のところ、我々はシャールからのフィードバックを基に、PXGのクラブヘッドに重量を加えたのです」と広報担当者。「我々はアームロック式では、選手たちがかなり重い作りを好む傾向があることに気付きました。このパターで厄介だったのは、ロフト、ライ角、そして長さの測定でした。と言うのも、これは我々の標準的な測定規格に合致していなかったのです」

このアップのカメラショットが引き続きバズっているクラブについて、“標準的なところ”は何一つない。しかし、明らかにシュワルツェルには機能しているのである。

(協力/ GolfWRX、PGATOUR.com)

おすすめ記事通知を受け取る
情報提供:PGA TOUR

関連リンク

2020年 全米プロゴルフ選手権




特集

宮本卓×GDO 旅する写心
ゴルフフォトグラファー宮本卓×GDOのスペシャルコラボコンテンツ。国内外のゴルフ写真を随時更新中!!
HIGHLIGHT 重永亜斗夢
プロゴルファーの躍動感溢れる身体と、プレー中とは異なる表情を、光と影のシンプルな世界観で表現したフォトギャラリー「HIGHLIGHT」。

今週の特集記事  【ブルーダー】 ~もっと自分らしいゴルフ&ライフスタイルを~

 


【売り時を逃したくない方必見!】無料45秒の入力であなたの不動産の最高額が分かる!
ブラインドホールで、まさかの打ち込み・打ち込まれ!!ゴルファー保険でいつのプレーも安心補償!