PGAツアーは来季からプレーオフシリーズ中1週間オフを導入へ
今後PGAツアーがフェデックスカッププレーオフ4戦を4週連続というスケジュールで行うことは、しばらくないだろう。
コミッショナーのティム・フィンチェムは現地9日(火)に、シーズン終盤時期の選手達の疲労を考慮し、今後数年間はプレーオフ期間中に1週間の休養を設けると発表した。
「4週連続という日程は機能しない。そう理解している。今年のスケジュールが良いとは言えなかったので、これを続けることはない。つまり、そういうことだ」。
以前は最終戦である「ツアー選手権byコカ・コーラ」前に1週間のオフが設けられた年もあったので、2014-15シーズンのケースも、そういう形になるのだろう。
選手達にとっては過酷な4週間だろうが、今シーズンのプレーオフは毎週優勝者が変わり、非常にエキサイティングなものとなった。イーストレイクでの最終戦に出場する30選手中、14名のみが、スコットランドで開催される「ライダーカップ」前に僅か1週間の休みを取れる。
これだけのスケジュールに加え、「全米プロゴルフ選手権」はプレーオフが始まる2週間前に開催され、その1週前には「WGCブリヂストンインビテーショナル」が開催された。これだけ大きな試合が7週間も続けば、選手達は相当なプレッシャーに晒される。
ツアー選手権にフェデックスカップランキング21位で出場することになったモーガン・ホフマンに至っては、プレーオフ出場資格を得る為にプレーした「ウィンダム選手権」を含み、5大会連続出場となる。
世界ランキング1位のロリー・マキロイを含む数選手は、精神的な疲労からなのか、最近の大会ではゴルフコース上で判断を誤る場面が見られた。フィル・ミケルソンは、グレンイーグルスホテルでの大会に向けた準備を優先するという理由から、「BMW選手権」の第3ラウンド前に棄権を発表したほどだ。
フィンチェムは、「プレーオフ期間中は1週間のオフを挟むべき。今年は稀な理由で出来なかったことだが、今後数年は今季のような日程にはならないと約束出来る。来季のスケジュールは概ね決まっているし、プレーオフ期間中にオフが設けられる」と、現段階で明言している。
選手達は疲労困憊かもしれないが、フィンチェムは、4週に渡り賞金総額10ミリオンドル(約10億円)が争われる戦いを見ているファンは、盛り上がっているだろうと話した。
「フェデックスカップ、それにプレーオフシリーズを始めた当時、ファンの盛り上がりに欠けるという批判が起こった。だが、ファンの皆さんはテレビ、それにコースで素晴らしい反応を見せてくれた」と話したフィンチェムは、次の様に続けた。
「米国内で大会を開催し、市場を拡大しているのは、ゴルフという競技の為でもある。選手達にプレーする機会を与え、経済的な利益を与えるというモデルを構築するためでもある。プロが試合を見せ、我々が行っている取り組みのように慈善団体への寄付金を集めるなど、地元地域に貢献することで競技は伸びていく」
「だから年間を通したスケジュールを組みたい。クリスマス時期には休暇を挟む。選手達は自分の好きなようにスケジュールを組める。特定のスケジュールをこなす義務はない。それぞれが異なるアプローチを取れる。たとえば2週続けて出場して2週休む、あるいは6大会に出場したら3週はオフという具合に、個人で日程を決められる。ここ10年から15年は大会スケジュールも上手く機能したし、これからも成功を収め、競技自体も成長すると見越している」。