2014年 ウィンダム選手権

初代ボランティア、100歳が語る「ウィンダム選手権」

2014/08/16 14:32

By Helen Ross, PGATOUR.COM

今年で75回目のウィンダム選手権。会場には初代優勝者サム・スニードらのモニュメントも(Josh Hedges/Getty Images)

水曜日、セッジフィールドCCを見渡したその男性は、思い出を鮮明にたどる旅に出ざるを得なかった。ただ、それは彼一人だけの思い出めぐりで、同じような記憶を分かち合う人は、もうほかにはいない。

いずれにせよ話は1938年、「ウィンダム選手権」が初めて開催された年にさかのぼる。

ウェルドン・フィールズ氏、御年100歳。今から75年前の第1回「ウィンダム選手権」でボランティアを務めた。

当時は、24歳の誕生日を目前にしたところだった。働いていた売店でギャラリーが選べるのはチップス、ソーダと「たしか、サンドイッチ」の3つだけだったという。

その年のウィンダム選手権は、この大会を計8回制することになるサム・スニードが優勝した。

フィールズ氏は「正直、1938年と比べて、今ここで見るものには驚くばかりだ」と話す。「こんなに大勢の観客はいなかった。ギャラリーは感じが良かったけれど、シャツにネクタイという格好で、つばつきの帽子をかぶっていた。ご婦人方は、休日用のとびっきりの一着を着ていたと記憶している」。

1950年頃に軍隊の任務を終えたフィールズ氏は、1975年に引退してフロリダに移住するまで、時折大会を訪れていた。その後1985年に故郷のグリーンズボロに戻り、以来ずっとこの地で暮らしている。「ウィンダム選手権」は今年、75周年の節目を迎えたが、フィールズ氏が来場するのは、実に1970年代半ば以来のことだ。

フィールズ氏はかつて、大会のボランティアになるため、グリーンズボロの青年商工会議所に参加した。地元で始まった新たなイベントに加わり、スター選手たちとふれあうのは心躍る出来事だった。

ただ、今の彼の心に最も響くのは、まったく別のことだという。

フィールズ氏は「僕はここで生まれて、ここで育ったんだ。第二次世界大戦とその後の少しの間を除いてね」と振り返る。「それは僕と、僕と一緒に働いた仲間にとって、大きな意味を持つ。一番重要なのは、GGO、この『グレーター・グリーンズボロ・オープン』で培った友情なんだ」。

メディアからの質問に答え、遠い思い出への旅路に出ていたフィールズ氏が、自身を現在に引き戻すには、1つだけやることが残っていた。

「立ち止まって、自分をつねってみないと。1938年の最初の大会に参加してから何がどうなって、何が起きたのかを考えるためにね」

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